2021年はドコモの「ahamo」が月額2970円(税込み、以下同)で通信量20GBのプランを開始。対抗としてauの「povo」やUQ mobile、ソフトバンクのY!mobileや「LINEMO」も対抗の低価格プランを開始した。また、楽天モバイルや格安SIMのMVNO各社も価格の改定や5G対応などでサービスを強化している。
そこで気になるのが通信速度だ。「安い代わりにネットが遅いのでは?」「昼の12時台に遅いことはないか?」「5Gで速度が出る?」と疑問に思う人はいるだろう。
そこで今回、筆者が契約中の各社11プランで速度テストを実施した。最新の低価格プランは4Gや5Gで快適に通信できるのか。テスト結果から現在の状況を見ていこう。
テストの概要だが、今回は「通信の利用が多い昼の12〜13時台に、プランの制限や通信の混雑により通信速度が極端に遅いサービスがないかを調べること」を目的としている。
スピードテストは現在主流の4G接続と、参考として高速なSub-6エリアの5G接続の両方で実施した。テスト端末はiPhone 12 ProとSpeedtest.netアプリを利用。3回中良好なものを掲載している。テストした通信プランはahamo、povo、LINEMOやサブブランド、格安SIMなど以下の各社11プランだ。測定日は2021年5月26日。
測定場所は東京駅前かつ、電波状況による速度への影響を防ぐためにドコモ、au、ソフトバンク、楽天モバイルそれぞれのエリアマップとiPhone 12 Proのピクト表示から、4Gと5G両方の電波環境が良好な場所を探して行っている。
ただ、5Gについてはエリアマップと実際につながるエリアの正確さについて、各社で大幅な差異が見られた。これはスピードテストの結果ともに触れていく。では、スピードテストの結果を見ていこう。
ドコモ回線を利用したサービスのテストは、東京駅周辺で4Gと5Gともにつながる京橋周辺で実施した。時間帯は12時台の前半だ。5Gエリアはエリアマップと実際のエリアの差は少なく、快適にテストを実施できた。
まずは4Gでのスピードテスト結果から見ていこう。
ドコモ(5Gギガホ プレミア)とドコモ内ブランドのahamoはともに、100Mbps以上と動画速度も快適な速度で通信できた。ドコモもahamo発表時にネットワークの品質はドコモとahamoで変わらないと明らかにしている。
格安SIMを提供するMVNOのリンクスメイトだが、混雑する昼12時台にドコモはahamoと同等の100Mbps以上の速度を記録した。これは格安SIMの昼12時台ではあまり見られない速度だ。理由としては、偶然ながらリンクスメイトが5月20日に実施した設備増強の直後にテストを実施した影響とみられる。リンクスメイトが公開する平均速度ともやや乖離(かいり)しており、今後の加入者増加が進めば昼12時台の速度はもう少し遅くなるものと思われる。
IIJmioは、この中では遅い方だが、10Mbps以上出ているので、SNSやちょっとした動画視聴にも問題ない。なお、通信のピークから外れた昼15時台は下り65Mbps、上り10.7Mbpと速い結果が出た。
次に5Gでのテストだ。IIJmioはテスト時に5G未対応だったので、テストを実施していない。
ドコモとahamoは400Mbps前後の似た速度となった。下りも上りともに、4Gと比べて2〜4倍ほど高速に通信できている。ここ最近は5Gスマホの普及が進んでおり、ビジネス街の昼の12時台だと周りで同時に5G通信を利用する人も増えたことから500Mbpsを超えるような速度は出にくくなってきている。
一方、リンクスメイトの5Gは183Mbpsで頭打ちとなった。設備増強後といっても昼の12時台はそれなりに利用が集中しており、無線部分が高速な5Gになったことで混雑時の速度の上限が見えたのだろう。なお、通信のピークから外れた15時台に再度5Gテストを実施したところ、下り506Mbps 上り34.7Mbpsという5Gらしい速度を確認できた。
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