Appleが、同社初の5G対応スマートフォンとなる「iPhone 12」シリーズを発表しました。「iPhone 12」と「iPhone 12 Pro」は既に発売済み、11月13日には「iPhone 12 mimi」と「iPhone 12 Pro Max」が発売となる予定です。
iPhone 12シリーズの最大の特徴は、何といっても5G対応……なのですが、モバイルデータ通信という観点ではそれ以外にも注目すべきポイントがあります。今回の「5分で知るモバイルデータ通信活用術」では、iPhone 12やiPhone 12 Proの5Gスマホとしての“実力”をチェックします。
今回のテストでは、iPhone 12、iPhone 12 Proと、対照実験用の「iPhone 11 Pro」の3台を用意。LTE(4G)、5G共にNTTドコモの純正回線(spモード)で通信速度を計測しました。計測場所は、因縁(?)の成田国際空港第3ターミナルのフードコート付近です。
通信速度テストは、端末単体、Wi-Fi(無線LAN)経由のインターネット共有(テザリング)、USB接続のインターネットの接続でそれぞれ行いました。テストに使ったのは全て「Speedtest.net」のBoingo Wirelessサーバで、インターネット共有のテストではMacBook(2017)を使いました。
端末単体でスピードテストを5回(iPhone 12のみ4回)実行した結果、通信速度の平均値は以下の通りとなりました。
LTEのみ対応するiPhone 11 Proでも十分速いのですが、5Gで接続している5G対応のiPhoneはさらに高速な通信を実現しています。とりわけ、上りの通信速度は約100M〜110Mbpsと、LTEでは実現できない高速ぶりです。
Wi-Fi経由のインターネット共有ででスピードテストを5回実行した結果、通信速度の平均値は以下の通りとなりました。
パッと見では「あれ下りが全体的にちょっと遅いな……」という印象を持つかもしれませんが、ここで注目すべきはiPhone 11 Proにおける下り速度の落ち込みです。見方を少し変えると、iPhone 12/12 ProはWi-Fi経由でも速度の落ち込みが少ないということになります。
この結果には“理由”があるのですが、詳しくは後述します。
USB経由のインターネット共有ででスピードテストを5回実行した結果、通信速度の平均値は以下の通りとなりました。なお、USB接続にはiPhone 12に付属していた「USB-C - Lightning Cable」を使っています。
Wi-Fi経由と比べると、iPhone 11 Proにおける下り通信速度が改善しています。見方を変えると、iPhone 12/12 Proは下り速度が伸び悩んでいるともいえます。
iPhoneのLightning端子の通信は、USB 2.0規格に相当します。USB 2.0規格の通信速度は最大480Mbps(約60MB/秒)ですから、規格上の上限速度がボトルネックになっているものと思われます。
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