楽天モバイルの回線設備は、今のところ自社サービスでしか利用されていない。このため、テストも1社1プランのみだ。テストは東京駅前の八重洲通りの5Gエリアで実施した。
昼の12時台でも40Mbps近くと、SNSはもちろん動画視聴でも快適な通信速度となった。最大通信速度がドコモ、au、ソフトバンクより若干だが遅めなのは、月額3278円で通信量無制限というお得なプランを提供している点も影響しているのだろう。
次に、春から全国各地でサービスを開始しつつある5Gだ。八重洲通りでスポット的に展開している5Gエリアへ向かったところ、待ち受け画面のピクト表示はエリアマップ通り5Gに切り替わる。だが、実際に5Gでの通信も可能だったのはエリアマップの中心部に限られた。これは5G開始当初のドコモやau、ソフトバンクでも見られた挙動なので、今後の安定した接続に期待したい。スピードテストはもう少し下り速度がでても良さそうだが、5Gらしい高速な結果となった。
結果をまとめると、ahamo、povo、LINEMOや楽天モバイルといった話題のサービスの他、Y!mobileやUQ mobileは4G/5Gの対応状況に違いはあるが、昼の12〜13時ごろでも高速通信が可能なことを確認できた。自社でモバイルネットワークを構築しているドコモ、KDDI(au)、ソフトバンク、楽天モバイルが提供するサービスは、エリアや電波の入りに問題がなければおおむね快適な速度で通信できると考えていいだろう。
一方、格安SIMを提供するMVNO各社は、借りている回線設備の範囲内で通信のピーク時間帯となる昼の12時台は10Mbps台に落ちることが多い。だが、10Mbps台ならSNSや動画サービスも快適に利用でき、通信のピーク時間帯を避ければ5Gを生かすほどの高速通信が可能なことも確認できた。数年前と比べ、通信環境は改善されているといえる。
昼の12時台の休憩という時間縛りがない人なら、MVNOサービスの多くが月額2000円台前半で通信量20GBと、ahamoより安いため魅力的だ。格安SIMなら留守番電話や低価格な通話料金を提供している事業者も多い。テレワークで昼間は自宅の光回線を使っている人にとっても魅力的といえる。
ここ最近はahamoなど低価格帯プランが話題だが、通信速度に関しても特徴を把握すれば格安SIMも含めてより最適なプラン選択が可能になるだろう。その一助になれば幸いだ。
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