インタビュー
» 2021年06月29日 06時00分 公開

新料金プラン「マイピタ」が好調のmineo 1.5Mbps使い放題のサービスに踏み切った狙いは?MVNOに聞く(1/3 ページ)

MVNOの中でいち早く料金値下げに踏み切った「mineo」。6月からはデータ容量超過後の通信速度を1.5Mbpsに高め、以降を使い放題にする「パケット放題Plus」を導入した。新料金プラン「マイピタ」からパケット放題Plusの狙いまで、mineo事業を統括する福留康和氏に聞いた。

[石野純也,ITmedia]

 MVNOの中で、いち早く料金値下げを打ち出したのが、オプテージの運営するmineoだ。同社は2月に新料金プラン「マイピタ」の提供を開始。4月に料金改定を行った競合他社に先行した格好だ。マイピタは、データ容量を1GB、5GB、10GB、20GBの4段階にしつつ、これまでバラバラだった回線種別ごとの料金を統一。同時に、料金水準を下げ、最安の1GBプランは1298円(税込み、以下同)で提供する。

mineo 音声通話付きだと1GBあたり1298円(税込み)というmineoの新料金プラン「マイピタ」

 さらに、6月からはデータ容量超過後の通信速度を1.5Mbpsに高め、以降を使い放題にする「パケット放題Plus」を導入した。これまでmineoは、通信速度を500kbpsに絞ってデータ容量を無制限にする「パケット放題」を提供していたが、パケット放題Plusはそれが約3倍に高速化される。同サービスはオプションという位置付けで、料金は385円かかるが、データ容量が10GBと20GBのユーザーの利用料は無料だ。

 料金プラン改定後もサービスを拡充するmineoだが、“後出しジャンケン”で新料金プランを投入した競合他社は、同社を下回る価格を打ち出している。大手キャリア(MNO)と比較すると確かに安いが、MVNO同士で横並びの比較をすると、やや高めに見えることもある。先行して新料金プランを打ち出したためだが、今後の対抗値下げはあるのか。パケット放題Plusを導入した狙いとともに、今後の料金施策をオプテージでmineoの事業を統括する福留康和氏に聞いた。

既に約6割のユーザーが新プランに移行している

福留康和 オプテージの福留康和氏

―― 最初に、2月に導入したマイピタの反響や導入後の動向を伺えればと思います。

福留氏 新料金プランは2月1日に開始しましたが、おおむね好評と考えています。新規での申し込み数は、新プランを開始する前の半年、8月から1月の月平均と比べると、2月以降は2倍ぐらいに上がっています。前年同月で比較しても(2月や3月は商戦期で新規契約が多いため)、1.2倍ぐらいに増えていて、獲得は好調です。既存のお客さまの移行も順調で、既に6割ぐらいの方が新プランに移行しています。コミュニティーサイトのマイネ王でも、好意的な意見が多数いただけている状況です。

 一方で、市場の流動性が高まっていることや、各社が新料金プランを出してきたこともあり、解約に関しても以前と比べると増加しています。そのため、全体の契約数は若干ですが純減傾向にあります。1月の発表会では121万契約と申し上げましたが、今は120万弱になりました。若干の純減ですが、引き続き状況を見極めながら、タイムリーに求められるサービスを提供していきたいと考えています。

―― 解約率の増加ということですが、そこを下げるための施策は何か考えていますでしょうか。ユーザーにとっては縛りにもなってしまいますが。

福留氏 縛りを強くするようなことは考えていません。引き続き、解約時の違約金やMNP手数料は無料です。どちらかと言うと、お得さや通信品質を向上させながら、より使いやすいサービスを提供していくことに注力したいと考えています。

―― 光回線とのセット割は考えていないのでしょうか。

福留氏 今のところは考えていません。eo光は関西エリアで、mineoは全国ということもあるため、引き続き検討はしていきます。

―― 純減傾向には、歯止めがかかっているのか、今も続いているのか、どちらでしょうか。

福留氏 定期トレンドとして、大体5月ぐらいまで流動性が高くなり、6月になると落ち着いてくるという傾向があります。実際、6月には落ち着いてきています。

安すぎると品質に不安を感じてしまうという声も

―― マイピタの導入が早かった一方で、先ほど福留さんがお話しされていたように、競合他社がより低い料金を打ち出しています。ここに対抗していくようなお考えはありますか。それとも、別軸としてこのままの金額は維持していくのでしょうか。

福留氏 別軸で行きたいと考えています。現断面では、追加の値下げは考えていません。1000円から2000円の価格を維持しつつ、料金のお得さと安定した通信品質の両方を追求しながら、より使いやすいサービスにしていくことが重要だと考えているからです。

―― それは、安すぎると逆に品質が悪かったり、怪しいと思われてしまったりするということでしょうか。

福留氏 確かに安いことはとても重要ですが、一方で安すぎると品質に不安を感じてしまうという声はお客さまから多数うかがっています。自社で調査もしましたが、その結果を申し上げると、1000円から2000円の価格帯で安定した通信品質を求めている方が多い。安定した通信品質というのがポイントで、そこを両立させることが重要です。

 「価格が安すぎて不安」「安い」「高い」「高すぎて使えない」という形でそれぞれの価格帯を調査しましたが、2000円を切ると安いと感じる一方で、1000円を切ると安すぎて品質に不安を感じてしまうということが分かっています。

mineo mineoの調査によると、1000円を切ると「安すぎて不安」という声が一定数挙がっている

―― 他社より若干高い分、帯域を増強するということでしょうか。

福留氏 はい。帯域の増強を図っています。従来の2倍の通信速度を目指し、増強に取り組んでいます。例えば、3プランを統合したうえで、昼間のWebの表示が完全に終了するまでの時間を測定しています。あくまで自社測定ではありますが、4月に入ってから、これが41%改善しています。増強以前と比べれば、表示が格段に速くなっていると言えます。

 一方で、通信速度は従来の2倍と言いながらも、41%の改善にとどまっています。道半ばのように見えるかもしれませんが、Webでの表示時間にはサーバ側の処理時間など、伝送以外の時間も含まれているため、通信速度をいくら速くしても2倍になりません。そのため、実態としては倍ぐらいになっています。

 最初から通信速度を書けばいいのでは……と思われるかもしれませんが、通信速度を明示的に示すときには第三者機関を使いなさいというガイドラインがあるため、われわれからは1Mbpsが2Mbpsになりましたというようなことが言えません。こういう形になっていることはご理解いただければと思います。

mineo 2021年4月以降、mineoの通信品質は従来の2倍を目指しており、12時台のWebページ読み込み速度が41%改善されたという
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