車内ダッシュボードは30分で60度超えの恐れ――携帯市場と電通大が炎天下での「スマホ熱中症」を調査

» 2021年08月10日 15時30分 公開

 携帯市場と電気通信大学の産学連携プロジェクト「スマホバッテリー劣化研究プロジェクト」は8月10日、いわゆる「スマホ熱中症」に関する実験の結果を発表した。

 この実験では、外気温が32度を超えた7月17日、19日、24日の3日間において、温度センサーを取り付けた端末で各種温度を調査。車内と屋外の直射日光が当たる場所にスマートフォンを放置した場合を想定して、「スマホ熱中症」とも呼ばれる端末の温度上昇を計測した。

スマホバッテリー劣化研究プロジェクト 端末と温度センサーを設置した位置

 車内ではカーナビ利用想定し、モバイル充電器に接続した状態とした。車体に直射日光が当たる状態で最初の15分はエンジンとエアコンをつけた状態(20度)、その15分後はエンジンを止めて温度差を調査した。計測箇所はダッシュボード、ホルダー(ダッシュボード上)、エアコン吹出口、シート上、シート脇小物入れ。

 ダッシュボード(温度センサーのみ)では、実験開始から30分程度で端末の表面温度が60度に到達し、ホルダー上に設置した場合も50度を超えた。エアコン作動時でも場所によっては高温状態になりやすいことを考慮し、車内の利用は直射日光を避け、短時間のみの使用に留めることが望ましいとしている。

スマホバッテリー劣化研究プロジェクト 車内放置実験の温度推移
スマホバッテリー劣化研究プロジェクト 車内放置実験のサーモグラフィ像

 屋外では、充電器をつないだスマートフォンと何もせずに放置したスマートフォンを、サーモカメラを利用して20分間測定した。測定終了後、充電したスマートフォンの表面温度は50度を超えており、炎天下の屋外で充電しながらの利用はとくに避けるべきとしている。

スマホバッテリー劣化研究プロジェクト 炎天下実験のサーモグラフィ像

 さらに、屋外で直射日光を浴びたスマートフォンの冷却を想定し、サーモカメラで測定した表面/裏面の温度が60度を超えた後に日陰で10分間冷却した際の温度比較を行った。電源をオフにして「モバイル扇風機」で空冷した場合は20度、電源オフのみは18度、電源をオンしたままは8度程度の温度低下が見られた。また、空冷した表面は空冷しない場合と比べて数分で温度差が開いている。

スマホバッテリー劣化研究プロジェクト 炎天下実験の温度推移

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2025年12月05日 更新
  1. 飲食店でのスマホ注文に物議、LINEの連携必須に批判も 「客のリソースにただ乗りしないでほしい」 (2025年12月04日)
  2. 「楽天ポイント」と「楽天キャッシュ」は何が違う? 使い分けのポイントを解説 (2025年12月03日)
  3. 楽天ペイと楽天ポイントのキャンペーンまとめ【12月3日最新版】 1万〜3万ポイント還元のお得な施策あり (2025年12月03日)
  4. 「スマホ新法」施行前にKDDIが“重要案内” 「Webブラウザ」と「検索」選択の具体手順を公開 (2025年12月04日)
  5. 三つ折りスマホ「Galaxy Z TriFold」の実機を触ってみた 開けば10型タブレット、価格は約38万円 (2025年12月04日)
  6. 楽天の2年間データ使い放題「バラマキ端末」を入手――楽天モバイル、年内1000万契約達成は確実か (2025年11月30日)
  7. サイゼリヤの“注文アプリ”が賛否を呼ぶ理由──「使いやすい」「紙メニュー前提」など多様な意見 (2025年11月23日)
  8. Z世代で“友人のInstagramアカウント乗っ取り”が流行? いたずらで済まない不正アクセス禁止法違反 保護者が注意すべきこと (2025年12月04日)
  9. NTT系初の耳をふさがない集音器「cocoe Ear」発表 補聴器でない理由、AirPods Proとの違いは? (2025年12月03日)
  10. 鉛筆デザインのiPad用スタイラスペン「Nelna Pencil」発売 物理ボタンに9機能を設定可能 (2025年12月03日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー