FeliCa対応の超小型スマホ「Jelly 2」を試す 文字入力やバッテリーの持ちはどう?(1/3 ページ)

» 2021年08月23日 12時00分 公開
[長浜和也ITmedia]
Jelly 2 片手にしっくりと納まる「Jelly 2」

 冒頭からとても個人的な話で恐縮だが、筆者は中国Unihertzが開発したスマートフォンを“偏愛”している。とはいっても企業文化や開発姿勢に傾倒している、ということではなく、たまたま彼らの投入する個性的なモデルが筆者の嗜好(しこう)に合致しているという理由が大きい。

 Unihertzのスマートフォンラインアップの中でも、ハードウェアQWERTYキーボードを搭載した「Unihertz Titan」と、2.45型ディスプレイ搭載ながらIP68準拠と耐衝撃性に優れたボディーを採用した「Unihertz Atom」はすこぶる興味深いモデルだ。

 Titanは以前のレビューでも紹介したように、300gを超える“ドデカ”サイズながら、そのおかげでキーボードが使いやすく、日常用スマートフォンとして使い続けている。一部の変則的なキーレイアウト、特に日本語入力で多用する長音や句点句読点がファンクションキーとの組み合わせや、カギ括弧キーがなくて丸括弧キーの変換前提であったことが日本国内ユーザーに不評であったが、実際に使い続けていると“習慣”となったのか全く不便を感じない。

 一方のAtomは、2.45型ディスプレイによる入力作業はなかなかに大変で、普段使いとして利用するのは難しかったが、それでも音声認識機能を活用することで、データブラウジングやコンテンツプレーヤー、ナビゲーションデバイス(筆者の場合は街中の経路案内に加えて航海ソフトとしても活用する)、そしてもちろん、通話用デバイスとしても活用できるだけの実力をAtomは備えていた。

 しかし、街歩きモバイルデバイスに今や必須の機能ともいえるおサイフケータイ(FeliCa)に対応していなかったために、Atomを常用することはできなかった。そのサイズが普段使いのハンディデバイスとして最適な「片手でぎゅっと握って持つ」にちょうど良かっただけに残念至極だ。

 だがしかし。

 2021年2月にUnihertzが投入した「Jelly 2」では、日本国内向けにFeliCaに対応したモデルを用意した。Unihertzの他の製品と同様に、まずはクラウドファンディングの購入者に向けて2021年2月に製品の出荷を開始し、現在では販売代理店であるFOXのオンラインストアや、家電量販店でも購入可能だ。2021年8月における実売価格はほとんどの取扱店舗で税込み2万4800円となっている。

Jelly 2 Unihertz的には「濃い緑色」らしいが実際に見た感じは「深青」と言いたいボディーカラー。背面には有効画素1600万画素のメインカメラとそのフラッシュライト、生体認証に使える指紋センサー、そして、FeliCaに対応したNFCアンテナを備える

 3型ディスプレイを搭載する本体のサイズは約49(幅)×95(高さ)×17(厚さ)mmで重量は約110gと、現在販売しているモデルの中では最も小型の部類になる(より軽量薄型の「Rakuten Mini」は2021年8月時点で販売終了)。

 幅と高さのサイズに比べて分厚いと思うかもしれない。しかし、実際に本体を持ってみるとその厚さのおかげで「ぎゅっとつかみやすい」ことに気付く。このつかみやすいことがモバイルデバイスにおいては使いやすさにつながる。

Jelly 2 3型ディスプレイを搭載したボディー。上部には有効画素800万画素のインカメラを組み込んでいる
Jelly 2 評価機を実測したところ108gだった
Jelly 2 本体には標準でカバーが付属する。こちらの重量は公称値で10g。実測で11gだった

 さて、小さな端末の長所である「携帯のしやすさ」を確かめよう。

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