「どうしても最安値を取りに行きたかった」 HISモバイル「格安ステップ」の狙いを聞くMVNOに聞く(3/3 ページ)

» 2021年08月27日 13時42分 公開
[石野純也ITmedia]
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端末は売れ筋よりもニッチな製品を扱う

―― 料金プランの導入に合わせて、端末も拡充しました。NubiaやIMIDIGIの端末を扱ったのは結構驚きでしたが、狙いを教えてください。

HISモバイル 端末も「RedMagic 6」をはじめ、ニッチな製品を多く用意している

猪腰氏 これも、そもそもニッチな戦略を取っているからです。他社と同じ端末だと、同じ軸での競争になってしまうので、なるべく違う軸を持つようにしています。みんなが扱っていないものは、ご縁があれば極力、意識的に販売するようにしています。Nubiaのゲーミングスマホも、ご紹介いただき、扱いましょうとなりました。他の会社は売れ筋を狙うのがセオリーだと思いますが、(HISモバイルは)価格競争でメリットを出せなかったりすることもあり、そもそも競争がないものを扱うようにしています。

 将来的には、自分たちで仕入れに行ってもっと面白いものを出したいのですが、コロナもあり、今はなかなか現地に行けません。ですから、中国系の事業者にお会いするときには、紹介してほしいと言うようにしています。ただ、OPPOやXiaomiはOSのカスタマイズが多く、あまり好んでいないところはあります。あれをやられてしまうと、ヘルプデスクが問い合わせを受けきれないという問題があるからです。

―― HISは本業で店舗が多くありますが、HISモバイルでその拠点を活用するお考えはありますか。

猪腰氏 そこでは売らないと思います。そもそも、店自体を閉めていますからね。旅行業界の未来を考えたときに、リアルな店舗は厳しいという考えもあります。店舗がわれわれとして重要かというと、そこは違います。ただし、一部共同で入れるところは入っていきたい。自社のHIS大宮本店やHIS池袋本店と一緒にやり、ビジネスモデルを作れるようなお店を出すといったことは考えています。MVNOの開通センターとしてだけやるのは正直無理があるので、今はiPhoneの修理やスマホの買い取りをしながら、横展開できるならそれをしていこうと思っています。

取材を終えて:コロナ収束後にアクセルを踏めるか

 格安ステップは、階段の高さ(容量ごとの金額差)が同じではなく、1GBと3GBが特に安く設定されている。料金プランを最初に見たときには少々不思議に感じたが、インタビューでは、無理をしてでも話題性を狙っていたことが分かった。実際、その読みは的中し、1GBプランを契約するユーザーの割合が非常に高く、大手キャリアはもちろん、他のMVNOとも差別化が図れた格好だ。ニッチを狙う戦略が、端末ラインアップに反映されている点も面白い。

 とはいえ、ここまで安いプランにユーザーが集中していると、収益を出すのが難しくなる。レンタルWi-Fiや訪日外国人向けのプリペイドSIMなど、HISモバイルが強みとしていた事業がコロナ禍で大幅に縮小してしまったのは痛手だが、今は“地ならしの時期”と割り切っている様子もうかがえた。コロナの収束後に、一気にアクセルを踏めるのかに注目したい。

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