キレイな中古iPhoneに触れます 「にこスマ」のポップアップストアで新しい買い物体験

» 2021年09月05日 06時00分 公開
[田中聡ITmedia]

 伊藤忠商事グループのBelongが9月2日、中古スマートフォン「にこスマ」初となるポップアップストアを、西武渋谷店の「CHOOSEBASE SHIBUYA(チューズベース シブヤ)」にオープン。「iPhone 8(64GB)」と「iPhone SE(第1世代、64GB)」を販売している。

にこスマ 西武渋谷店のCHOOSEBASE SHIBUYAに出店したにこスマ。iPhone 8とiPhone SE(第1世代)を取りそろえている

 CHOOSEBASE SHIBUYAは、オンラインとオフラインを融合させた「OMO(Online Merges with Offline)ストア」として、西武渋谷店パーキング館1階で展開。半年ごとにテーマを設定しており、そこに共感するブランドの製品を取りそろえている。現在は「サステナビリティ」というテーマと「タイムリミット」というキーワードを掲げており、「手に取った商品が作る未来が途切れたら――」というメッセージのもと、51ブランドが参画。製品はそごう・西武側でキュレーションをした上で展示している。

 中古スマホ事業は、スマートフォンの寿命(タイムリミット)を延ばす取り組みともいえるが、にこスマが出店したのは、CHOOSEBASE SHIBUYAのコアターゲットであるミレニアル世代やZ世代といった若年層と、にこスマのユーザー層がマッチしたことも大きいという。

 ただ、ポップアップストアといっても、各ブランドの製品が整然と並べられているだけで、専任のスタッフが常駐しているわけではない。各ブランドのロゴの展示もなく、価格すら記載されていない。展示内容は「シンプル」の一言に尽きる。

にこスマ 店内は整然としており、ブランドのカラーは極力抑えられている

 では、このような業態の店舗に出店する意義はどこにあるのか。にこスマはこれまでECサイトでのみ展開してきたが、Belongの大野正稔氏によると、「写真だけでは外観が分からないので実物を見たい」という声が寄せられていたという。ポップアップストアをふらっと訪れて、中古スマホの存在を知ってほしいという狙いもあるそうだ。

 にこスマではSIMロックなし、ネットワーク利用制限なし、外観の状態が優れているもの、バッテリー残量80%以上をクリアした「三つ星スマホ」のみを扱っているが、外観の状態は実際のモノを見ないと分からない面もある。外観については傷の多さによってA、B、C、Jの4段階でグレードを設定しており、CHOOSEBASE SHIBUYAではA〜Cグレードのサンプル品を展示している。端末の電源を入れることはできないが、実際にiPhone 8/SEを手に取ってじっくりと外観を確認できる。

にこスマ iPhone 8
にこスマ iPhone SE(第1世代)
にこスマ 右からAグレード、Bグレード、CグレードのiPhone 8

 筆者も展示中のiPhone 8/SEを手に取ってみたが、Aグレードの製品は傷がなく、新品同然だと感じた。中古スマホというと、使い古されて、傷があって当たり前というイメージがありそうだが、実物を手に取ってもらうことで、そんなネガティブなイメージを覆すことも期待できる。

にこスマ
にこスマ AグレードのiPhone 8
にこスマ
にこスマ AグレードのiPhone SE(第1世代)。いずれも傷は見当たらない

 決済の方法もユニークだ。各製品のそばにはQRコードが設置されており、スマートフォンで読み取る。するとECサイトへ遷移するので、買い物かごに入れると決済用のQRコードが発行される。

にこスマ 商品の横に置かれているQRコードを読み取って買い物をする
にこスマにこスマ 買い物かごに入れて支払い手続きを進める
にこスマにこスマ LINEにログインするか、メールアドレスを登録すると、決済に使用するQRコードが発行される

 レジでその画面を読み取ることで決済が完了する。“西武Pay”ともいえる仕組みで、リアル店舗、ECサイト、キャッシュレス決済をうまく活用している印象を受けた。他にクレジットカード、PayPay、LINE Payで決済することもできる。商品の在庫自体はCHOOSEBASE SHIBUYA側で持っており、決済が終了したら、隣のピックアップカウンターから商品が渡される。

にこスマ QRコードをレジで読み取ってもらうと決済完了
にこスマ ピックアップカウンターで商品を受け取る。箱はなく、緩衝材でスマホが保護される

 製品の価格はにこスマのECサイトと変えておらず、iPhone 8(64GB)のAグレードは2万4000円(税込み、以下同)、iPhone SE(第1世代)のAグレードは1万4000円。「1万円台でiPhoneを買えるとなると、若い方にも響くのでは」と大野氏は期待を寄せる。

 にこスマではiPhone X〜iPhone 11シリーズのモデルも扱っているが、ポップアップストアで8とSE(第1世代)のみを販売しているのは、特に人気の高いシリーズだからだという。ホームボタンを備えたiPhone人気は根強く、小型のSE(第1世代)は安さも手伝っていまだに支持されている。ポップアップストアでのラインアップ拡充も検討しているそうで、今後の展開にも期待したい。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2025年12月07日 更新
  1. ヨドバシ通販は「高還元率で偽物リスク低い」──コレが“脱Amazon”した人の本音か (2025年12月06日)
  2. 「健康保険証で良いじゃないですか」──政治家ポストにマイナ保険証派が“猛反論”した理由 (2025年12月06日)
  3. NHK受信料の“督促強化”に不満や疑問の声 「訪問時のマナーは担当者に指導」と広報 (2025年12月05日)
  4. ドコモも一本化する認証方式「パスキー」 証券口座乗っ取りで普及加速も、混乱するユーザー体験を統一できるか (2025年12月06日)
  5. 飲食店でのスマホ注文に物議、LINEの連携必須に批判も 「客のリソースにただ乗りしないでほしい」 (2025年12月04日)
  6. 楽天の2年間データ使い放題「バラマキ端末」を入手――楽天モバイル、年内1000万契約達成は確実か (2025年11月30日)
  7. 楽天モバイルが“2025年内1000万契約”に向けて繰り出した方策とは? (2025年12月06日)
  8. 楽天ペイと楽天ポイントのキャンペーンまとめ【12月3日最新版】 1万〜3万ポイント還元のお得な施策あり (2025年12月03日)
  9. ドコモが「dアカウント」のパスワードレス認証を「パスキー」に統一 2026年5月めどに (2025年12月05日)
  10. Amazonでガジェットを注文したら、日本で使えない“技適なし製品”が届いた 泣き寝入りしかない? (2025年07月11日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー