プロセッサには、AQUOS zero6はミドルハイ向けのSnapdragon 750 5G、AQUOS sense6はミッドレンジ向けのSnapdragon 690 5Gを採用している。しかし、Webを見たり、SNSに投稿したり、カメラで撮影したりといった基本的な操作では、操作感にほとんど差は感じられなかった。
5G向けのSnapdragonは、4G向けよりも処理速度が向上している印象で、7シリーズ(700番台)は2〜3年前の8シリーズ相応、6シリーズは2〜3年前の7シリーズ相応というようにも感じる。従って、2〜3年前に発売されたミドルレンジモデルを使っている人は、AQUOS sense6に機種変更したとしても、操作性が大きく向上したことを実感できるはずだ。
「Geekbench 5」というアプリでベンチマークを測定してみたが、両モデルのスコアにはさほど大きな差はなかった。メインメモリはzero6が8GBで、sense6が4GBなので、マルチタスク操作や、データサイズが大きいゲームなどをプレイする際には差を感じることになるはずだ。
両モデルのリフレッシュレートが異なることは先述したが、タッチ操作への反応を示すタッチサンプリングレートにも差がある。AQUOS zero6が最大240Hzで、AQUOS sense6は最大120Hzなので、タッチ操作が多く、正確さが求められるゲームやアプリでもzero6が有利だ。ただし、筆者のように暇つぶし程度にゲームを楽しむ人は、さほど気にする必要はない。
バッテリー容量は、AQUOS zero6が4010mAhで、AQUOS sense6が4570mAh。電池持ちを比べるために、100%まで充電してから「Netflix」の2時間の映画を再生させてみた。その結果、AQUOS zero6の電池残量は91%になり、AQUOS sense6は94%だった。YouTube動画を「高画質」に設定して2時間再生した場合も同じような結果で、AQUOS zero6は残量が87%で、AQUOS sense6は92%も残っていた。やはりバッテリー容量が多い分、sense6の方が電池持ちはいいようだ。
ただし、AQUOS zero6の方が大きな画面でステレオスピーカーを搭載しているので、より動画鑑賞に適していることは言うまでもない。内蔵スピーカーから出力した場合、樹脂製のケースが薄いためか、一般的なスマホよりも振動が大きく感じられた。
AQUOS sense6の電池持ちにはIGZOの効果も寄与しているだろう。しかし、筆者の個人的な印象ではあるが、IGZO OLEDの省電力効果はさほど大きくないように感じられた。従来のIGZO液晶は、一般的な液晶を搭載する端末に比べると電池が著しく長く持つことを実感できたが、IGZO OLEDは、他社の有機ELディスプレイ搭載モデルと比べて “若干いいかも” という程度だ。いずれにしろ、zero6、sense6ともに、使い方によっては2〜3日の電池持ちを見込めそうだ。なお、満充電を避けるなどして電池の寿命を長くする機能も備えている
両モデル共通で、電池まわりで残念に感じたことは2つある。まず、ワイヤレス充電に対応していないこと。ワイヤレス充電は有線での充電に比べると時間がかかるが、置くだけの手軽さに慣れた人にとっては手放せなくなる。ぜひ、今後のモデルでの対応を期待したい。
また、充電に時間を要することも気になった。Androidはメーカー独自の急速充電技術を取り入れて、スピーディーに充電できる機種が増えている。きっちり時間を測ったわけではないが、AQUOS zero6、AQUOS sense6ともに、ある程度電池残量が少なくなってから充電を開始して、1時間ではフルにならず、2時間くらいかかった。実際には1時間も充電すれば、その日の使用には足りるはずだが、OPPOやXiaomiなどのスピーディーな充電を体験したことがある人は、じれったく感じるかもしれない。
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