スマートフォン・オブ・ザ・イヤー審査員が選ぶ「2021年を代表するスマホ」5機種(1/3 ページ)

» 2021年12月27日 15時31分 公開
[井上晃ITmedia]

 ITmedia Mobileは12月中旬、2021年を代表するスマートフォンを決定する「スマートフォン・オブ・ザ・イヤー2021」の審査会を開催しました。

スマートフォン・オブ・ザ・イヤー2021 「スマートフォン・オブ・ザ・イヤー2021」を開催

 審査の対象となるのは、2021年1月1日から12月中旬までに発売されたスマートフォン。選考委員とITmedia Mobile編集部がそれぞれ5機種を推薦し、その中で特に票が集まった10機種をノミネート機種として選定しました。2021年は「ハイエンド部門」と「ミッドレンジ部門」に分け、各部門で5機種ずつ(計10機種)、最終的に各部門で1機種(計2機種)を選定します。

 2021年の選考委員は、ITmediaなどで活躍し、1年間を通じて携帯電話業界を取材してきた石川温氏、石野純也氏、太田百合子氏、佐野正弘氏、島徹氏、房野麻子氏、村元正剛氏、山根康宏氏の8人とITmedia Mobile編集部です。今回は、審査員が推薦した5機種とその理由を紹介します。

スマートフォン・オブ・ザ・イヤー2021 審査会の様子

石川氏:意欲的な機種は多かったが、完成度なら「Xperia PRO-I」

・推薦機種……Xperia PRO-I、Leitz Phone 1、AQUOS sense6、Pixel 6 Pro、Galaxy Z Flip3 5G

石川温 石川温氏

 完成度の高さでいうと「Xperia PRO-I」だと思います。ただし、大型のセンサーを先駆けて搭載したのはシャープなので、意欲的な面を評価して「Leitz Phone 1」を入れました。重複するので「AQUOS R6」は外しています。

 一方、「Pixel 6 Pro」は今までゴリゴリAIでやってきたのが、センサーを進化させ、望遠レンズを搭載するなど、ハードウェアとAIを融合させる合わせ技になったことを評価しました。

 「Galaxy Z Flip3 5G」に関しては、おサイフケータイに対応するなど、実用面が強化されています。同シリーズのFoldと比べてもこちらの方がいいと感じました。売れているのかどうかはさておき、メーカーの意欲は買いたいですね。

 安価なラインでは、「AQUOS sense6」が一番いい仕上がりだと思います。

島氏:とがって楽しい「Galaxy Z Flip3 5G」と、市場のニーズを反映した「Xperia Ace II」

・推薦機種……Galaxy Z Flip3 5G、iPhone 13 Pro、Xperia Ace II、OPPO Reno5 A、AQUOS sense6

島徹 島徹氏

 2021年はハイエンドに関して、従来のスマホに飽きた人向けのとがった機種が多かった印象。その中でも購入しやすく確実に楽しめるモデルとして「Galaxy Z Flip3 5G」を選びました。二つ折りでサブディスプレイ付きの魅力に加え、おサイフケータイや防水にも対応。手の届く価格帯(購入プログラムの適用で実質約10万円)でキャリアの補償に加入でき、買いやすい点も評価しました。画面を開けば一般的なスマートフォンと変わらない操作性と軽さで使えることも魅力。派手なギミックながらも、変わったスマホとして1〜2年ちょっと使ってみたくなるモデルです。

Galaxy Z Flip3 5G 折りたたみスマートフォンでは購入しやすい価格帯となった「Galaxy Z Flip3 5G」

 「iPhone 13 Pro」は、カメラとして接写や望遠など、さまざまなシーンを安定してキレイに撮影できることを評価。本格的な映像制作向けの大容量編集フォーマット「Apple ProRes」での撮影も、「FiLMiC Pro」アプリなどと連携することで実用的になると分かりました。Appleは、映像制作環境としてM1搭載Macや動画編集アプリ、各社のApple ProRes対応撮影機材をそろえていますが、これまでは一般ユーザーにとって縁遠い世界でした。このiPhone 13 Proは、Apple製品全体でプロの映像制作入門への入り口を作るカメラ機器として魅力的な製品なのだと捉えています。ただし、重量やカメラの大きさなどが影響し、“スマートフォン”としての実用性に関しては、お勧めできない部分もあります。

 安価な機種に関しては、本体価格2万円前後、すなわち実質1円でも入手できる価格帯で展開された「Xperia Ace II」を、2021年の市場を象徴する端末として評価しました。「Xperia XZ」の利用者としては、性能はともかく縦長よりこの形状のモデルが欲しかった部分があります。何よりこの価格帯でソニーのXperiaという、スマホに詳しくない層に対して、買い換えを促しやすい、ブランド力を持ったモデルです。また、AQUOS sense6は5G対応や、カメラ性能、重量など、必要箇所の順当進化を遂げた文句のないモデルです。「OPPO Reno5 A」はキャリアでも購入できるコストパフォーマンスの高さに、保証サービス提供も加わるなど、日本市場で安心して買いやすくする姿勢を評価しました。

Reno5 A 日本市場へのローカライズも評価された「OPPO Reno5 A」

村元氏:カメラが強い「iPhone 13 Pro」と使用感が良かった「OPPO Fine X3 Pro」

・推薦機種……iPhone 13 Pro、Pixel 6 Pro、AQUOS R6、OPPO Find X3 Pro、Mi 11 Lite 5G

村元正剛 村元正剛氏

 iPhoneは毎年カメラを進化させてきましたが、iPhone 13 Proのカメラは特に完成度が高いと思います。これまで、写り具合としてはHuaweiのカメラなどの方が好きだったのですが、今回はiPhoneもなかなか良かった。特に「シネマティックモード」は楽しめました。

 Pixel 6 Proは、リアルタイム翻訳と消しゴムマジックなど、とにかく“新しい体験”が多かったので挙げました。一方で大きい、重いという不満点もあります。

 AQUOS R6は、シャープが1型センサー搭載スマホを最初に発表した点を踏まえて評価しました。実際に使ってみても、指紋センサーの反応が良かったり、有機ELディスプレイを採用していたりと、今までのAQUOSとは一味違う部分に魅力を感じます。

 「OPPO Find X3 Pro」は、2021年に発売されたAndroidスマートフォンの中で、一番使用感が良いと思いました。ハイエンドらしい流線形のデザインは、見た目だけでなく使用感にも良い影響を与えているのでしょう。実際、ディスプレイは大きくてキレイだけれど、手に持つと軽い感じがする。カメラも良かったです。

 ミッドレンジでは「Mi 11 Lite 5G」を挙げました。Xiaomiはコスパは良くてもデザイン的にやぼったいという印象があったのですが、この端末は薄くてキレイな仕上がりでした。同時期に出たOPPO Reno5 Aがライバル機種になるでしょうが、どちらか1つを選ぶとしたらXiaomiでした。

Mi 11 Lite 5G 洗練されたデザインも高評価だった「Mi 11 Lite 5G」
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