子どもにスマホを持たせる際、スマホルールのような「アナログ」な見守りととともに、「デジタル」面での見守りも必要です。それは、「フィルタリング」や「ペアレンタルコントロール」などの見守り機能の導入です。
現在、18歳未満の子どもがスマホを購入、または機種変更する際、携帯電話事業者はフィルタリングサービスへの加入と、店頭などでの有効化を求めなければなりません。しかし、内閣府の「令和2年度青少年のインターネット利用環境実態調査(※PDF)」によれば、フィルタリングの利用率は4割程度(2020年度40.6%)と低くなっています。フィルタリングは我が子には必要がないと考えて設定しないご家庭や、利用中に不便だったため外してしまったというご家庭が多いようです。
でも、スマホがつながるネットは、子ども向けにはできていません。未熟な心に見せるべきではないコンテンツ、出会ってはいけない人がたくさんいるのが現実です。そして、スマホを見たい欲求をうまくコントロールできず、健康や勉強に支障が出てしまうことも多いのです。
そこで、ただスマホを渡してしまうのではなく、必要な見守り機能を設定しましょう。フィルタリングやペアレンタルコントロールなどを理解し、我が家に見合った機能や設定を選んでみてはいかがでしょうか。子どもも大人も納得する設定なら、継続して使うことができると思います。
フィルタリングとは、子どもに触れてほしくない情報(アダルト、暴力、出会いなど)を表示させない機能です。子どもがブラウザで何かの情報を検索しても、年齢にふさわしくないコンテンツの場合は表示されません。
ペアレンタルコントロールとは、親が子どもの使い方を管理する機能です。主にアプリの制限や利用時間の管理などができます。
現状では、これらの機能をまとめてフィルタリングと呼ぶケースもあるので、ここでは見守り機能と呼ぶことにします。
こうした見守り機能は、大きく分けて以下の3つがあります。
キャリアが提供するサービスは、利用できる機能が企業によって少しずつ違いますが、名称は「あんしんフィルター」で統一されています。年齢ごとにおすすめ設定があるため、選択するだけで制限レベルが設定できます。変更したい箇所だけをカスタマイズすることもできます。
OSに備わっている機能とは、iOSでは「ファミリー共有」と「スクリーンタイム」です。親子でそれぞれApple IDを作成して連携し、管理します。Androidの場合は、「ファミリーリンク」アプリをそれぞれインストールし、Googleアカウントで管理します。親子のデバイスがiOS同士、またはAndroid同士であるか、親がiPhone、子どもがAndroidの場合はこの方法が利用できます。設定は簡単なのですが、必要な設定を親が選ぶ形式です。
専門の企業が提供するサービスは、子どものスマホにアプリを入れ、親のスマホやPCから管理できます。これらは別途利用料金がかかります。
私は無料で利用できるOS標準の設定で構わないと思います。年齢に合わせてお任せしたい人はキャリアのサービス、自分で一から設定していきたい人はOSの機能を選ぶとよいと思います。
それぞれの詳細や設定方法については、また別の機会に解説します。
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