Redmi Note 11で終わりではない Xiaomiに聞く、日本での“カスタマイズ”戦略(3/3 ページ)

» 2022年04月05日 14時24分 公開
[石野純也,ITmedia]
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元ソニーの安達氏が加入した理由

―― 安達さんがプロダクトプランニングとして加わりました。それも同様の理由でしょうか。

ワン氏 安達さんを採用したのは、日本における製品ポートフォリオやロードマップを強化するためにお力を借りたかったからです。いくつかの要素にブレークダウンしてお話します。まず、安達さんはこの分野(スマートフォン)において、十分な経験を有しています。そのため、グローバルポートフォリオのさまざまな選択肢を、日本市場に向けにうまくナビゲートしていただけると思います。グローバルポートフォリオをもとに、日本のポートフォリオを設計していただけるということです。

 その中で、グローバルモデルを導入するのか、既存のグローバルモデルを一部改修するのか、フルカスタムしたモデルを導入するのかを決めていきます。こうした選択は、パートナーのニーズを踏まえて行っていきます。グローバルのリソースを活用しながら、日本におけるポートフォリオを構築していきたいと考えています。

 2つ目の理由として、キャリアチャネルのカスタマイズに関して、豊富な経験を持っています。ご存じのように、キャリアチャネルでは非常に多くのカスタマイズが必要になります。カスタマイズには1年ほどかかりますが、その間にどの部分をカスタマイズして、どの部分を落とすのかも決めていかなければなりません。パートナーの皆さまが、キャリアプロダクトとして最適化をしなければならないからです。

 3つ目の理由が、エコシステムプロダクトを日本市場にどんどん投入していきたいからということです。そのためには、スマホのポートフォリオを安定化させなければなりません。

―― 逆に、安達さんはご自身の役割をどう捉えているのでしょうか。

安達氏 重複するかもしれませんが、Xiaomiがグローバル展開しているポートフォリオを、現状や現状のちょっと先を見据えてベストな形でお届けできるよう、お役に立ちたいと考えています。単に売れ筋を持ってくるだけでなく、皆さまの目に新鮮に映る商品を展開したい。カスタマイゼーションに関してもそうで、そのまま持ってくるのではなく、コストを抑えつつ、必要なものを付加するということがあります。

 パートナーとの関係も含め、より日本市場にコミットした商品を私の方で立案し、スティーブンと一緒に作り上げていくというのが大きな役割です。現時点でオープンマーケットに加え、キャリアを通じた展開も既にやっていますが、現実として日本市場のタッチポイントはかなりの部分が通信事業者です。そちらの販路を通じて、幅広くお届けすることに関わらせていただきたいと考えています。

 Xiaomiはスマホだけでなく、さまざまなAIoTの商品を持っているのが強みです。スマホとAIoTを組み合わせた新しい体験や、AIoTからXiaomiというブランドを知っていただいた方にXiaomiのファンになっていただけるような展開をしていくのも、取り組みのポイントになります。

カスタマイズの手法は3つある

―― カスタマイズと言ってもさまざまな要素があります。例えば日本市場では小型モデルを好きなユーザーが多いという話もありますが、そういった形でゼロから端末を作るようなことはあるのでしょうか。

ワン氏 製品の方向としては3つしかないのでシンプルです。1つ目が、製品を選んでカスタマイズする部分を(周波数対応などの)最小限にするというもので、このアプローチを取ったのがRedmi Note 11です。カスタマイズが最小限であれば、それだけコストは抑えられます。ここで重要になるのが、いいエクスペリエンスを提供することです。

 2つ目が、端末を選んだ上で日本向けのカスタマイズを加えるというものです(代表例は「Mi 11 Lite 5G」など)。3つ目が、ゼロから日本市場向けのスマートフォンを構築することです。サイズもそうですし、防水の有無やバッテリーをどうするのかなど、全てのスペックを日本向けに定義するというもので、よりヘビーに日本向けのカスタマイズをすることも考えられます。

―― ご存じかどうかは分かりませんが、過去には、HTCが「HTC J」や「HTC J butterfly」を日本向けに開発し、その後アジア市場に広がっていった例があります。Xiaomiもこうした波及効果を狙っているのでしょうか。

ワン氏 HTC J butterflyのことは存じていますし、私自身も、以前使用したことがあります。安達さんや私の役割は、日本市場向けにカスタマイズを行うことですが、他の国や地域が気に入れば、その地域に製品が選択されることはあり得ると思います。ただ、それは一歩ずつ進めていきたい。願わくはそうなってほしいですが、注力するのは日本市場で、日本の消費者に喜んでいただける最良の製品を作ることです。

取材を終えて:日本市場にマッチした端末の登場に期待

 2021年は矢継ぎ早に端末を投入し、バリエーションを増やしていたXiaomiだが、数が多いと販売が分散し、1台あたりにかけられるリソースも減ってしまう。そのため、2022年はニーズを的確に捉えることで、端末のバリエーションはやや減らしていく方針のようだ。一方で、安達氏が加入したことからも分かる通り、より日本市場のニーズに合わせた端末を投入することが期待できる。キャリアとの取り組みも、2021年以上に強化しようとしている様子がうかがえた。

 Redmi Note 11は、あくまで2022年の第1弾という位置付け。どちらかと言うとコスト重視のエントリーモデルのため、カスタマイズは最小限に抑えたという。ワン氏や安達氏が語っていたように、ディスプレイやカメラ、バッテリーといった基本性能の向上に限られたコストを全振りした端末といえる。日本市場向けのカスタマイズを加えた第2弾、第3弾にも期待したい。

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