子どものスマホ、通信事業者はどこを選ぶべき? キャリアかMVNOか、それとも?子どもとスマホの付き合い方

» 2022年05月06日 12時00分 公開
[鈴木朋子ITmedia]

 我が子にスマホを持たせることを決めたら、通信事業者をどこにするのかを検討するでしょう。今は、キャリア、キャリアのサブブランド、オンライン専用プラン、MVNOなど多くの選択肢があります。どこがいいのか、迷ってしまいますね。

 子どもが利用している通信事業者について、まずは実態調査を見てみます。東京都都民安全推進本部が発表した「家庭における青少年のスマートフォン等の利用等に関する調査報告書」(令和3年3月※PDF)によると、「MNO」が 63.4%、「MVNO」が 16.2%となっており、年齢が上がるにつれ、MNOの率が高くなっています。また、小学生は「その他(Wi-Fiのみでの使用等)」が10%前半と、中高生に比べて高いことも特徴です。

スマートフォン スマートフォンの通信事業者(出典:東京都都民安全推進本部)

 高校生では72.1%がMNOとなっていますが、これは年齢が上がったためキャリアにしているご家庭と、子どもがスマホデビューした頃は今ほどMVNOになじみがなかったため、そのまま継続しているご家庭がいるのだと思います。

 なお、私が取材している範囲では、子ども達自身は電波の入り具合や回線速度などについて気にし始めるのは高校生からです。「MVNOだからデメリットが多い」といったことはなく、大人と同じ感覚に近づくと考えていいと思います。

フィルタリングから通信事業者を選択する

 子どもが利用する通信事業者を選ぶ場合、ポイントとなるのはフィルタリングでしょう。特に年齢が低いお子さんの場合、家庭に合ったフィルタリングを提供する通信事業者を選びたいものです。

 キャリアが提供するフィルタリング「あんしんフィルター」は、無料で利用できます。ただし、見守り機能の1つである位置情報検索については、親が同じキャリアを利用していることが前提となります。

 「イマドコサーチ」(NTTドコモ)を利用するには保護者がiモード、またはspモード対応端末を利用していなければなりません。「安心ナビ」(au)は探す方がauまたはpovo1.0の端末を、ソフトバンクの「位置ナビ」も探す方がソフトバンクまたはY!mobileの端末が必要です。

 つまり、キャリアの位置情報サービスで子どもの居場所を知りたい場合、親子で同じキャリアにしておかなければなりません。

 とはいえ、iPhoneやGoogleが提供する機能や位置情報共有アプリ「Zenly」などを利用して子どもの居場所を知ることもできますので、キャリアの位置情報サービスで管理したい場合のみといえます。

 サブブランドでフィルタリングを利用するには、メインブランドのフィルタリングサービスに準拠したフィルタリングや、「iフィルター」(デジタルアーツ)などの有料サービスを契約して利用します。

 また、MVNOで独自のフィルタリングサービスを提供している事業者もあります。

 イオンモバイルは、専用ブラウザとSNSのアプリ内ブラウザもフィルタリングできる「イオンモバイルセキュリティPlus」を提供しています。一般的なフィルタリングでは、SNSで共有されたリンクはSNSのアプリ内ブラウザで開かれてしまうため、閲覧を制限できません。そのため、子どもが不適切なサイトを閲覧してしまう可能性があります。しかし、「イオンモバイルセキュリティPlus」はLINE、Twitter、Instagram、Facebookのアプリ内ブラウザも制限することができます。

イオンモバイルセキュリティPlus 「イオンモバイルセキュリティPlus」の案内ページ(出典:イオンモバイル)

 トーンモバイルは、独自の見守り機能「TONEファミリー」を提供しています。自画撮り被害を防ぐ「TONEカメラ」、居場所の見守り、TONEファミリー専用メッセージサービス「Oneファミリー」などが利用できます。

TONEファミリー 「TONEファミリー」の案内ページ(出典:トーンモバイル)

 こうした独自のフィルタリングサービスを利用したい場合は、各通信事業者と契約するといいですね。

家族全体の料金やデータ通信量で選択する

 中学生までは自宅での利用がメインとなるため、データ通信量は少なくても問題ないでしょう。一方、高校生になると外出の機会が増え、学校でもスマホを許可しているケースが多く、SNSやゲーム、動画視聴などで常にネットにつなげている状態になります。

 そこで、大容量で安いプランを提供する通信事業者を選択する方法があります。ahamo、povo、LINEMO、楽天モバイルといったサービスでは、月20GBで約3000円とお得な料金プランを提供しています。ただし、スマホの長時間利用を促すことにもなるため、ご家庭の方針に合わせて検討が必要です。

 また、学割プランを用意している通信事業者を利用する方法もあります。現在は「学割」という呼称は使わず、「〇才以下」と対象者の年齢を入れたり、「はじめて」などスマホデビューの人を対象としたキャンペーンを行っています。

 子どものスマホデビューを機に、家族全体での見直しをするのもいいでしょう。家族で同じ通信事業者にそろえて、家族割を利用することもできます。MVNOで複数のSIMを契約して使うこともできます。

 お子さんの年齢によって、何を重視するかが異なります。フィルタリングをメインにするか、料金やデータ通信量で選択するか、ご家族で検討してみてください。

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