ソニーは、ノイズキャンセル(NC)機能と高音質コーデックLDACに対応した完全ワイヤレスイヤフォン「LinkBuds S WF-LS900N」を6月3日に発売する。市場想定価格は2万6000円(税込み、以下同)。カラーはエクリュ、ホワイト、ブラックの3色を用意する。
LinkBudsの語尾に付く「S」は下記の意味から取ったもの。
販売中のLinkBudsと同様に小型軽量で、LinkBudsシリーズ独自のセンシング技術を採用している。
LinkBudsとの大きな違いは、LinkBudsが穴の空いた構造を採用しているのに対し、LinkBuds Sでは穴を開けずにNC機能と外音を取り込む機能を搭載したこと。LinkBudsは常に"ながら聴き"を楽しみたい人、LinkBuds Sはシチュエーションに合わせてNCと外音取り込みを切り替えたい人に向く。
両製品の装着方法も異なる。LinkBudsは耳甲介(じこうかい)と呼ばれる耳のくぼみに収まるように装着するが、LinkBuds Sはイヤフォンの先端部に耳栓のような形のイヤーピースが付いており、それが耳の穴に収まるように装着する。
この形や装着方法は最上位モデル「WF-1000XM4」(ソニーストア価格は3万3000円)と似ているが、なぜLinkBudsのような穴あき構造ではないのか? ソニーによると、LinkBudsの小ささを維持しつつ、NC機能の搭載を望む声が多かったという。それに応える形で登場したのがLinkBuds Sである。
LinkBuds Sの重さは4.8gで、2022年3月30日時点では、LDAC対応のソニー製完全ワイヤレスイヤフォンとしては最小かつ最軽量だという(ソニー調べ)。それに加え、WF-1000XM4と同じ「統合プロセッサV1」を搭載したことで、「WF-1000XM3」と同等レベルのNC性能を実現したとアピールする。
音質面では、ハイコンプライアンスな振動板を採用した独自開発の5mmドライバーユニットと、統合プロセッサV1により、小型ながら豊かな低音とクリアな高音を再生できるという。
スマートフォン、タブレットやPCのワイヤレスマイクとして利用する際に使う内蔵マイクはメッシュ素材で覆われており、NCと外音取り込み時の風ノイズを最小限に抑えることが可能だという。
5億を超えるサンプルを機械学習で解析して作られたAI(人工知能)で、装着者の声とそれ以外の環境ノイズを分離し、装着者の声をクリアに抽出するアルゴリズムも搭載されている。それに加え、イヤフォンの外側のマイクと内側のマイクを使用することで、発話音声の明瞭度が向上したという。
Sound ARサービス「Locatone(ロケトーン)」のヘッドトラッキング機能にも対応し、現実世界と仮想世界の音が“混ざり合う”新感覚の音響体験が楽しめる。
スマートフォンを触らずに音楽を再生できる「Auto Play(β版)」アプリにも対応する。イヤフォンの加速度センサーで通話や歩行といったユーザーの行動の変わり目を検知し、タイミングに応じて音楽サービスのコンテンツを自動で再生する。
NCと外音取り込みを切り替えたり、各種機能の設定を行うための「Sony | Headphones Connect」アプリには、「セーフリスニング」機能が新たに搭載される。これは、WHOが推奨する7日間の積算音圧(音圧×時間)の基準値とユーザーの利用状況の比較割合を表示し、耳に悪影響を及ぼす恐れがある場合(ユーザーの利用状況がWHOの推奨値の80%と100%に達した際)に、ユーザーに対して通知してくれる機能だ。
その他、下記に対応する。
バッテリーに関しては、NCオンで6時間、NCオフで9時間の再生が可能。5分の充電で音楽を1時間再生できる急速充電にも対応している。
【更新:11月28日17時25分】LE Audioの対応時期が変更になったことをソニーが案内しているため、記事掲出当初の「2022年内」から「2023年春頃」に改めました
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