今、外部メモリスロットを備えたスマートフォンが減っている理由(2/2 ページ)

» 2022年05月29日 10時00分 公開
[はやぽん,ITmedia]
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コンテンツのオンライン化、スマホ本体の大容量化も背景に

 各種音楽ストリーミングサービスの台頭、高速通信網の整備による動画配信などが当たり前になりつつあり、以前のように「microSDに音楽や映画を入れて持ち歩く」ことも減ってきている。

 撮影した写真や動画もクラウドサービスへアップロードして、どの端末でも閲覧できることも一般化しつつある。iPhoneだと「iCloud」がおなじみで、iPhoneに最適化されたシームレスな挙動が売りだ。

 かつてのような「アプリは本体ストレージ、写真や動画はmicroSD」という考え方は廃れつつある。microSDは上記に記した通り速度面のネックになる点もある上、故障率も本体ストレージに比べて高い。

 特にハイエンド端末においては最低容量が128GBとなり、iPhoneを始めとした機種では1TBの容量を持つものも現れた。サムスン電子やXiaomiのハイエンド機種も、海外では複数の容量にて展開しており、ユーザーが必要に応じた容量で選ぶことができる。

 現在のトレンドとしては「アプリは本体ストレージ、写真や動画はクラウドサービスに自動バックアップ」へと各社移行している。端末の容量も最低128GBがスタンダードになりつつあり、世界的にはハイエンド端末で「microSDが必須」という状況ではなくなってきている。メーカーとしてはハイエンド端末で128GBの容量+自社や提携のクラウドストレージを利用するか、より大容量の機種を選ぶかという所だろう。

 日本ではメーカーが考える売り方と、キャリアの展開方法がどうにも合わないところがある。キャリアの意向もあって、基本的にAndroid端末では容量は1種類の展開となる。加えてXperiaのように、キャリア向けモデルの容量がSIMロックフリーモデルよりも少なくなっている機種もある。

 消費者に選ぶ自由がないことから、microSDが利用できない端末では不安と感じるユーザーも多いだろう。

スマホmicroSD 日本では「AQUOS」や「Xperia」シリーズなどでmicroSDが利用できるが、逆を言えばmicroSDの利用できるハイエンド端末はこれらしか選択肢がないのも現実だ。

 一方では安価な機種でmicroSDが利用できるものも多い。その理由として考えられるのが、ストレージ性能よりもプロセッサ性能がボトルネックになることから、高規格のストレージを必要としない点、プロセッサの発熱もハイエンドに比べれば少ないものになり、冷却機構の簡略化も可能な点だ。実装部品も少なく、カメラ性能も抑えることで省スペース化も図れる。結果として、本体にはmicroSDスロットを配置できる余裕が生まれる。

 ストレージも64GB設定と安価にすることで、それ以上の容量はユーザーがmicroSDで拡張するという使い方をメーカーとしても推していくものとなる。

 ただ、安価な機種でもPixel 5a 5GやRakuten Hand 5Gなど、外部メモリスロットが利用できない機種も登場している。安価ではないがスペックはミッドレンジのBALMUDA Phoneも外部メモリスロットは搭載していない。

スマホmicroSD 2021年発売のBALMUDA PhoneもmicroSDは利用できない

 「microSDが使えるからAndroid端末を選ぶ」という選び方も、このような流れが続けば数年後には選択肢が少なくなると考えられる。microSDを利用できる点はAndroidスマートフォンを選ぶ理由の1つともいえた部分だが、この考え方が主流だった時代から変わりつつあるといえる。

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