スマートフォンのキラーアプリ、「カメラ」の次はやっぱり「カメラ」なのか。
2022年5月26、27日、ソニーの事業説明会が行われた。そのなかでイメージング&センシング・ソリューション分野でのプレゼンがあり、ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社 代表取締役社長兼CEOの清水照士氏が「スマートフォンのカメラは大口径化と高Qs技術、AI処理の組み合わせによって、2024年には静止画は一眼レフの画質を超える」と明言したのだ。
この記事は、毎週土曜日に配信されているメールマガジン「石川温のスマホ業界新聞」から、一部を転載したものです。今回の記事は2021年5月28日に配信されたものです。メールマガジン購読(税込み月額550円)の申し込みはこちらから。
ソニーではモバイルイメージング領域はまだまだ拡大すると予想。「多眼化は飽和する一方、大判化により引き続き市場成長を牽引する」と語っている。
同社では5月10日に決算説明会を開催しているが、2021年度は売上高1兆764億円で前年比639億円増収だったのに対して、2022年度は売上高1兆4700億円で3936億円の大幅増収を見込んでいるのだ。
そもそもここ数年は、トランプ政権によるファーウェイへの禁輸措置によって、ソニーのイメージングの売り上げは大きな打撃を受けていた。厳しい事業環境であったが「2022年度以降に発売されるハイエンドスマートフォンを中心に、各メーカーが、イメージセンサーの大型化や高画質・高付加価値化に再び注力する傾向が顕著になっており、モバイルセンサー市場の成長が、再度加速することを期待している。また、ミッドレンジでも画質を追求する動きが出てきており、さらにシェアを拡大できる余地があると見込んでいる」(十時裕樹CFO)というのだ。
確かに足下を見れば、シャープが「AQUOS R7」、ソニーが「Xpreria Pro-I」といったように1インチセンサーを搭載したスマートフォンを出しており、カメラの大口径化が進んでいる。
去年まではソニー・RX100シリーズなどに向けた1インチセンサーを搭載していたが、AQUOS R7においては、スマートフォンに向けた新しい1インチセンサーに切り替わっている。このセンサーはまだシャープしか搭載していないようで、今後、採用するメーカーが増えてくるものと思われる。
ソニーが前年に比べて4000億円近い売上増が見込めると明言するからには、シェアの高いメーカーが一気に大量の大型センサーを採用してくるということだろう。しかも、2022年度中ということから、今年後半の新製品であることが極めて高い。
実際、サムスン電子はすでにハイエンドスマートフォン「Galaxy S22シリーズ」を発売済みだ。
それ以外で、ハイエンドスマートフォンをまだ出していないメーカーと言えば、アップルではないだろうか。
アップルは今年秋に発売するiPhoneで、全モデルとはいわないまでも、「Pro」もしくは「Pro Max」で1インチレベルを採用してくる可能性が見えてくる。
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