目指したのは、「半歩先」の端末だったという。オウガ・ジャパンのブランドディレクター、黒川進一氏は「一歩先だとアイキャッチング(目を引く)だが、だんだんと飽きてしまう。0.5歩先だと、長く付き合えることがだんだんと分かってきた」と語る。オウガ・ジャパンのプロダクト部長、李毅氏によると、ユーザー調査では「マンガや歌舞伎のように色鮮やかなものも人気があった」が、0.5歩先というコンセプトに基づき、バランスを取ってカラーリングやデザインを決定していったという。
7.6mmという厚みや、175gという重量も、デザインの一環として取り入れたスペックだ。オウガ・ジャパンのプロダクトマネージャー、中川裕也氏は「本体のサイズ感や軽さは、重要な課題だと認識している」としながら、Reno5 Aから薄型化、軽量化を達成したReno7 Aをアピール。「74mmを下回る(73.4mm)横幅で、絶妙なホールド感を実現している。腕が疲れにくく、ポケットにも収まりのいい設計」(同)だと語った。
機能に加え、デザインにも日本人の嗜好を取り入れたReno7 Aだが、端末のコンセプトそのものも、市場の動向を反映している。スマートフォンの成熟化に伴い、ユーザーが1台の端末を利用する期間は、年々長くなっている。「改めてユーザーの声を注意深く聞いてみると、長く使える、愛着のある1台が欲しいという声があることが分かった」(黒川氏)という。結果として掲げたのが、「ときめき、長持ち」というコンセプトだ。
これを実現するため、ハードウェアには壊れにくい素材を採用。特にスマートフォンで傷がついたり、割れたりしやすいディスプレイのガラスは、AGCの「Dragontrail Star2」を用いることで、「Reno5 Aの2倍の強度」(中川氏)を実現した。先の中川氏も、「過去最高のディスプレイで、傷や割れに強く、長く安心して使える」と自信をのぞかせる。
ソフトウェアでも、1台の端末を長く利用する際の障壁を取り除く工夫を凝らした。スマートフォン、特にAndroidは、「日常の仕様で知らず知らずのうちに(不要なデータが)蓄積され、システム領域が肥大化する」(同)。OPPOの端末に採用されるAndroidベースのColorOSでは、これを「AIで効率的に圧縮することができるようになった」(同)という。結果として、Reno7 Aは、36カ月間使用しても、当初のサクサク感がほとんど損なわれないことをうたっている。
こうした機能は、例えばXiaomiの開発するMIUIにも搭載されており、ストレージパフォーマンスを維持するとうたっている。他メーカーでも実装している例があるため、OPPOならではの珍しい機能というわけではないが、1台のスマートフォンを長く使う上では、ありがたい機能といえる。利用期間の長期化を真っ向から受け止め、主力モデルにこうした機能が搭載された点は評価できる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.