オウガ・ジャパンは、OPPOブランドの最新モデル「OPPO Reno7 A」を、6月23日に発売する。Reno Aは、OPPOが日本専用モデルとして開発したシリーズで、オウガ・ジャパンの主力商品に位置付けられている。初代モデルの「Reno A」から、おサイフケータイや防水・防塵(じん)に対応しており、その他の仕様もグローバル版のRenoシリーズとは大きく異なる。オープンマーケットが主力の製品だが、徐々に大手キャリアの採用も増えている。
4世代目となるReno7 Aも、日本だけで展開される専用モデル。Reno Aシリーズの売りともいえる、サイフケータイや防水・防塵などの日本仕様は網羅している。一方で、Reno7 Aは、機能やスペックが“進化しただけでなく、日本市場に向けたローカライズも“深化”している。ここでは、そんなReno7 Aの主な機能や特徴を振り返りつつ、日本におけるOPPOの戦略を読み解いていきたい。
2018年2月に日本に上陸したOPPOだが、その約1年半後の2019年10月に投入されたのが、初代のReno Aだ。おサイフケータイや防水には参入直後の2018年9月に発売した「R15 Pro」で対応していたものの、わずか1年半程度で日本市場に特化した“専用モデル”を投入したことは大きな話題を集めた。テレビCMなどのプロモーションにタレントの指原莉乃さんを起用し、OPPOの名を一躍全国区に押し上げたのは記憶に新しい。
初代Reno Aを皮切りに、OPPOは同シリーズを年1回継続的に投入して、市場を広げてきた。オウガ・ジャパンで専務取締役を務める河野謙三氏によると、シリーズ累計出荷台数は130万台を突破したという。河野氏によると、「機種ごとの台数は明かせないが、右肩上がりで販売数は伸びている」という。3機種、130万台は単純計算で1機種あたり約43万台になるが、河野氏のコメントから推測すると、21年6月に発売された「Reno5 A」は、少なくとも50万台、多ければ70万台程度を出荷しているとみられる。
OPPOにとって、日本でのヒットモデルに成長したReno Aシリーズだが、Reno7 Aでは、その機能にさらに磨きをかけている。おサイフケータイや防水・防塵といったReno Aシリーズに求められる仕様はそのままに、プロセッサを最新の「Snapdragon 695 5G」に置き換え、パフォーマンスを向上させた。ディスプレイも、液晶から有機ELに変わり、コントラスト比や彩度が向上。よりクッキリとした映像を見られるようになっている。
液晶から有機ELになったことで、薄型化が可能になったほか、背面にあった指紋センサーも、ディスプレイに内蔵できるようになった。さらに、バッテリーは4000mAhから4500mAhに増量。メモリはReno5 Aと同じ6GBだが、ソフトウェアが進化したことで、空いているストレージを仮想メモリとして割り当てられるようになった。仮想メモリは、2GB、3GB、5GBの3段階から選択できる。一方で、メインカメラは6400万画素から4800万画素へと画素数が落ちた他、モノクロカメラも非搭載になった。
ある意味順当にスペックアップしたReno7 Aだが、同モデルの開発にあたり、OPPOは日本市場のニーズをより深くくみ取り、端末に反映させている。おサイフケータイや防水・防塵といったスペックは同じだが、よりローカライズを“深化”させたともいえる。その1つが、Reno7 Aの独特なデザインだ。同モデルの開発にあたり、オウガ・ジャパンは約4カ月にわたり、デザインのヒアリングを行ってきた。ここには、ユーザーだけでなく、日本の著名なデザイン会社も関わっているという。
こうした意見を聞き、カラーリングや質感、端末の形状などを中国の本社にフィードバックすることで、Reno7 Aのデザインが完成した。同モデルが採用する、「OPPO Glow」と名付けた背面処理がその代表例だ。Glowと銘打った通り、背面は光を受けると、まるでラメのようにキラキラと輝く。その光沢とは裏腹に手触りはサラサラとしたすりガラスのような質感で、指紋も目立ちにくい。グラデーションのように見えるのも、OPPO Glowの特徴といえる。
また、先に述べたように、指紋センサーを前面に移動させたことで、背面が1枚のガラス板のようになり、整然とした印象を与えるようになった。細かな点では、メインカメラと超広角カメラの径を合わせて縦に並べているところも、デザインへのこだわりといえる。コストが優先になりがちなミドルレンジモデルで、ここまでデザインや質感に凝った端末は珍しい。
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