KDDIおよび沖縄セルラーが提供する最大3950万回線に影響が及んだ。KDDIの高橋社長によると「KDDIの社史の上でも最大規模」という。
個人向けではau、UQ mobile、povoブランドの携帯電話・データ通信サービスと「ホームプラス電話」が含まれる。au網を利用するMVNO回線でも通話や通信が遮断されたり、通信速度が低下したりする現象が生じた。
また、楽天モバイルでは地下や建物内などを補完する「パートナーエリア」としてau網の一部を利用しているが、楽天モバイルのパートナーエリアについては通話機能は問題なく提供されている。ただし、通信障害から回復するために実施されたネットワーク制御により、データ通信速度が低下する事象が発生した。
KDDI・沖縄セルラーが提供する法人向けサービスについても、スマートフォンを含めた音声通話サービスは、個人向けと同様に一時、通話・通信が遮断される状況となった。また、SMSを利用する一部のIoT機器向け通信サービスでは一時的に利用できない状態となった。
KDDIの会見では具体的な法人名について開示されなかったが、一部の法人は影響について明らかにしている。ヤマト運輸では宅配ドライバーとの連絡が取りづらくなるなど、配達業務に支障が発生した。JR貨物では貨物列車の情報システムに利用している回線に支障が生じ、運航遅延につながっている。
小田急バスなど一部のバス会社では、KDDI網を利用するバスロケーションシステムが動作しなくなり、一時的に表示を見合わせる状況となった。羽田・成田空港を発着する東京空港交通では、KDDI網の障害により、交通系ICカードの決済で不具合が発生すると報告。個室型テレワークスペースを提供するテレキューブでは、遠隔制御に利用している回線に支障が生じたため、営業を一時停止する状況となった。
通信障害の生じた可能性のある回線数は以下の通り。なお。以下の回線数は障害が発生した機能で管理されている回線数であり、実際に影響が起こった範囲については明らかになっていない。
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