機能面も魅力たっぷりなXperia 1 IV。その分値段も高騰したが、機種そのものの高性能化、高機能化に加えてeSIMや4キャリアのバンドに対応などが理由に挙げられると考える。他に為替相場や半導体不足、昨今のウクライナ情勢やコロナ禍による物流停滞も影響しているはずだ。こうした部分は他社スマートフォンも同じなので仕方のないところだ。
Xperiaに限らず、20万円近い価格設定となったスマートフォンを、従来のような一括で購入するニーズは減ってきている。各キャリアの残価設定プログラム(ドコモの「いつでもカエドキプログラム」など)を使用すれば実質的に10万円前後の価格設定となり、返却は必要になるが、従来のハイエンドスマホとほぼ同等の価格となる。
ドコモでの価格(税込み)を見てもiPhone 13 Pro Max(256GB)が18万2160円、Galaxy S22 Ultraが18万3744円、AQUOS R7が19万円となっている。こうして比べてみると、Xperia 1 IVの19万872円という設定が極めて高価なわけでもないのだ。
ソニーは、ドコモとauでは早期機種購入特典の条件はあるものの、各社のポイント還元を行っている。ソフトバンクでは予約者にXperia View(2.5万円)のアクセサリーが無償提供される。これらの特典を利用すれば実質価格はさらに下がるものとなる。
今回の Xperia 1 IVに関しては注目度の高さからか、19万円台という価格が一人歩きしているようにも感じる。確かに独自性を持った機能面も、興味のない人からしたら「無駄と思える機能」のオンパレードだ。一方、これらの機能を用いて「何ができるか。何に利用できるか」が見えている方であれば、無限の可能性を引き出すことのできるスマートフォンだと感じる。
今回はXperia 1 IVについて19万円の価値が果たしてあるのか? という問いについて述べてきた。筆者はこのスマートフォンに対して、価格相応の価値がある、使い方によってはそれ以上の価値を創造できると考えている。
Xperiaの名前は「Experience」すなわち「体験」から来ており、近年のXperia 1シリーズは以前よりも「体験」に重点がおかれている。このような機種のため、本体価格やカタログスペックだけでは正確な評価をすることが難しい。独自の機能が多く盛り込まれているため、Xperia 1 IVと同じような体験をiPhoneや他のスマートフォンで求めることは難しいのだ。
Xperia 1 IVを使って「今までになかった新たな体験、新たな価値を創造できる」と考えれば、このスマートフォンの見方もまた変わってくるはずだ。
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