スマホのカメラで読み取れ、小さなサイズでも長いURLやテキストを書き込める「QRコード」という技術。これは1994年にデンソー(現デンソーウェーブ)が開発したもので、名前は「Quick Response」の頭文字に由来している。オープンソースとして公開されているため、さまざまなシーンでわれわれも利用できる。QRコード決済に始まり、チラシや名刺などに利用するユーザーも多い。
URLに使われる英数字や漢字、片仮名などだけでなく、記号や制御コードなどのデータも記載でき、縦横の黒と白の羅列でデータを表現するため、食品や製品パッケージに記載されるバーコードより小さいサイズで大容量の情報を記載できる。
3カ所の「切り出しコード」を持つことで、360度どの方向からでも読み取れる。現在QRコードが扱えるのは177×177セルで、数字を7089桁まで扱えるという。YouTubeやTwitterなど、SNSや企業ロゴを配置できるキャンバス領域を持つ「フレームQR」も存在し、自由なコード生成が可能なのも特徴だ。
工場や物流の場面で使用されることを想定しているため、「汚れに強い」という長所も持つ。周囲のセルから情報を補完できるため、コードの一部がつぶれていたり、ゆがんでいたりしても、切り出しコードがつぶれていたり、汚れが大きすぎたりしない場合は読み取れる。
この他、1つのコードに公開情報と特定の端末のみ読み取れる非公開情報を記した「SQRC」や、顔認証で使用する特徴点の情報をSQRCとして記す「顔認証SQRC」といった技術も開発している。
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