「送金、というとピンと来ない人も多い。どんなときに使えるか、1回使うと良さが分かってもらえる」と川越社長。
個人間送金は、現金の手渡しでも十分なところを、実際に会う手間、ATMから現金を引き出す手間、送金手数料の負担といった問題を解決できるサービスだが、これまでは同じ銀行間のみ、PayPay間のみでないと手数料が掛かるといったデメリットがあった。
ことら送金であればそうしたデメリットを解消できるため、資金移動業者が対応すれば、一定の利用者は確保できそうだ。
資金移動業者は、全銀システムへの参加やデジタル給与払いという大きな環境の変化が起きている。全銀システムの参加には負担が大きい(参考記事)が、事業者をまたいだ個人間送金をコストを抑えて実現するなら、全銀システムでなくてもことら送金を使えばいい。
デジタル給与払いだと、資金移動業者(第2種)では100万円までしか残高を保持できない。給与を長期間保持していると簡単に100万円を超えてしまい、自動的に銀行口座に出金されることになる。
これを全銀システム経由で出金すると、手数料が高額になる上に、デジタル給与払いでは「最低でも月1回は無料で出金できなければならない」となる見込み。一方、ことら送金を使えば安価に出金ができるので、ことら送金を利用してもらった方がコストが削減できるし、利用者側も月に何回でも出金できて利便性が高まる。
こうした背景もあって、資金移動業者にとってもことら送金への対応は「すごくプラスがあるのではないか」と川越社長は指摘する。
川越社長は、事業者の拡大を目指して個別の売り込みなどを続け、対応サービスの拡大に注力。あわせて、参加事業者と送金に関するプロモーションも行って利用者の拡大も目指す考えだ。
これが成功すれば、日本でも「個人間送金」が本格的に始まる可能性があるので、今後も期待してみていきたい。
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