カメラは、AQUOS R7と同等のハードウェアに、Leitz Phoneオリジナルの撮影機能が追加されている。背面カメラのレンズはAQUOS R7と同等で、「SUMMICRON 1:1.9/19」と名付けられた、7枚構成の非球面レンズを装備している。1型センサーが刷新されたことで、前世代モデルよりもシャッタースピードが速くなり、暗所性能も大幅に向上している。
1型センサーの解像度は4720万画素で、通常利用時はピクセルビニング機能により、1180万画素の明るいセンサーとして機能する。ボケなどを補うために190万画素の測距用センサーも搭載する。
カメラ機能で、完全に“ライカオリジナル”といえる要素は、静止画撮影モード「Leitz Looks」だ。今回新たに、Leica Mレンズの定番シリーズの写りを、スマホ上で再現したモードとして刷新された。
Leitz Looksには、ライカMレンズの名前にちなむ「SUMMILUX(ズミルックス) 28」「SUMMILUX 35」「NOCTILUX(ノクティルックス) 50」という3つのモードがある。各撮影モードは、それぞれのレンズの写りの“個性”を画像処理によって再現している。
また、Leitz Looksでは、「MONOCHROME」「CINEMA CLASSIC」「CINEMA CONTEMPORARY」の3つのフィルター効果が適用できる。
Leitz Looksでの撮影時にはAE/AFロック機能やHDR効果の選択が可能だが、シャッタースピードや絞りなどの細かい撮影設定は操作できず、RAW形式での記録にも対応しない。
Leitz Lookはドイツのライカカメラ本社が主体となって開発した機能で、AQUOS R7には搭載されていない。製造を担当したシャープも細かいチューニングの内容は把握しておらず、実装と動作確認のみを行っているという。Leica Mレンズにおいて、ズミルックスやノクティルックスを称するレンズは複数世代が存在するが、Leitz Lookの撮影モードが具体的にどのレンズをベンチマークとしているのかは明らかにされていない。
発売前の試作機で試したLeitz Looks機能を試したところ、広角のSUMMILUX 28/35はストリートスナップ向きの柔和で繊細な描写、NOCTILUX 50はポートレートを印象深くする陰影を強調した描写を行う傾向にあるようだ。レンズ効果の再現には撮影前後の処理も併用されており、撮影状況によってビニング機能を適用したり、被写体周辺にボケ効果を追加したり、玉ボケを強調したりといった処理が自動で行われる。
Leitz Looksでボケ効果がうまく決まると、まさにライカのカメラで撮ったような、繊細な描写と柔らかなボケが両立したような写真が得られる。ただし、発売前の試用機では、被写体の形状によってはうまく認識できないことも多かった。例えば花の額縁の周りが不自然にボケない写真になってしまうなどの失敗もあった。
なお、メーカーによると発売にあわせて提供するソフトウェアアップデートにて、さらなる画質改善を検討しているという。
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