ついにiPhoneをMacのWebカメラにできる日がやってきた――。
コロナ禍で新生活様式になって以降、会議などはわざわざ出社せず、オンラインで済ませるのが当たり前となった。そんな中、PC内蔵のインカメラだと、画質がいまいちで不満を覚えている人も多いのではないだろうか。
そこで活用したいのが“iPhoneのWebカメラ化”に欠かせない機能だ。
それは「連携カメラ」という機能。これはMacにiPhoneを近づけるだけで、MacがiPhoneを自動認識し、iPhoneをMacのWebカメラ代わりになるものだ。初回はチュートリアルが自動で表示されるのでその指示に従えばよく、次回以降にもしiPhoneをカメラとして使い始められない場合は「メニュー」か「その他の設定」から「iPhone」を選択する。
2022年11月1日時点で国内ではベルキンの「Belkin iPhone Mount with MagSafe for Mac notebooks」(4400円)と、トリニティの「Simplism MagRinCam」(2680円)が連携カメラ対応アクセサリーとして販売されている。
MagSafe対応のiPhone(iOS 16以降)に本製品を装着し、新OS「macOS Ventura」搭載のMacに取り付けて使う。
連携カメラの利用に際していくつかの注意点があることを念頭に置こう。
iPhone側の対応機種はiPhone XR以降のモデルで、2022年秋に配信されるiOS 16へのアップデートが必要となる。センターフレーム機能はiPhone 11以降のモデルで利用可能。スタジオ照明効果は、iPhone 12以降のiPhoneが適用できる。
Mac側は同じく2022年秋配信予定のmacOS Venturaを搭載する全てのモデルに対応する。
さらに付け加えると、両方の機器が同じApple IDでサインインした状態にあり、同じWi-Fiに接続していることも動作条件。iPhoneはWi-FiとBluetoothがオンになっている必要もある。
注意点をおさらいしたところで、次にSimplism MagRinCamの使い方を見ていこう。
Simplism MagRinCamを含むアクセサリー製品そのものにソフトウェアやギミックがあるわけではないが、対応アクセサリーを使えばiPhoneをMacのディスプレイ上部に簡単に取り付けることが可能だ。Macへの取り付け方法は至って単純。ディスプレイの縁にカチッと取り付けるだけ。
ただ、ここで心配なのはiPhoneの重さに耐えられず、ディスプレイが安定しないこと。会議中にディスプレイが倒れないか心配な方もいらっしゃるのではないだろうか。実機で挙動を確かめてみた。使用した機材は以下の通り。
iPhone 13 Pro Maxの背面にSimplism MagRinCamを装着し、MacBook Airのディスプレイ上部に載せてみると、完全に開ききった状態でなくても、角度によってはiPhone 13 Pro Maxの重さでMacBook Airのディスプレイが倒れてしまい、不安定なのが分かった。机の上なら問題ないが、布団の上など安定しないところでの作業は控えたい。
Simplism MagRinCamを使わないときは、MagSafe対応リングに早変わりし、指を背面に引っかけてiPhoneを操作できるようになっているが、やはり気になったのはMacBook Airとの組み合わせた場合に不安定になってしまう点。iPhoneの重さで倒れてしまうのは、おそらく他のマウントも同じだろうが、両機の破損につながらないか怖くて使い続けたいとは言いがたい。
いざ手にすると、重さはそれほどなく、軽い。マグネット部分はマットな質感で手触りは良好。内側リングはメタリック感のある見た目だ。
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