縦に折りたたむ形状のスマートフォンはサムスンの「Galaxy Z Flip」シリーズやモトローラの「razr」シリーズが販売されていますが、Huaweiも「P50 Pocket」を海外で展開しています。P50 Pocketは高級感あるデザインで価格も高く、ラグジュアリーなモデルとして差別化を図っていますが、2022年10月に発売された「Pcoket S」は一転してシンプルなデザインとし、価格も引き下げたモデルです。
中国でのHuaweiオンラインストア(VMALL)での価格は、128GBモデルが5988元(約11万8000円)、256GBモデルが6488元(約12万8000円)です。対するP50 Pocketは、256GBモデルが8988元(約17万7000円)でした。
Pocket Sのデザインは表面を1色のオーソドックスな仕上げにしており、1.04型のサブディスプレイとデュアルカメラを同じ円形の台座にまとめたデザインはP50 Pocketと変わりません。実は本体のサイズはどちらのモデルも同じで、ケース類の共用も可能です。閉じたときのサイズは75.5(幅)×87.3(高さ)×15.2(奥行き)mm。両者は外観やスペックを変更した姉妹モデルという位置付けです。
P50 Pocketは本体の外面にシボを入れたり、ダイヤモンドカット状の表面処理を施しています。一方、Pocket Sは一般的なスマートフォンと変わらないシンプルな外観。カラバリはこのシルバーやベーシックなブラックに加え、ピンクやグリーンなどかわいい感じのものも用意されており、若い女性層をターゲットにしています。
ヒンジ部分も両モデルのイメージは異なります。P50 Pocketは光沢感ある仕上げでしたが、Pocket Sは艶消しとしています。ただ、この部分にロゴを入れるなら、もうちょっと目立たない色のほうがいいようにも思いますが、やはりHuaweiの製品であることをアピールしたいのでしょうね。
本体を閉じたときに隙間なく閉じることができるのがサムスン製品と異なるところ。ヒンジはやや固めですが、片手で持って開くこともなんとかできました。
開いたときのサイズは75.5(幅)×170(高さ)×7.2(奥行き)mm。スマートフォンとしてもスリムな形状です。
ディスプレイのサイズは6.9型、1188×2790ピクセルでアスペクト比は21:9、Xperia 1シリーズなどと同等です。ヒンジ部分は折り目が目立たず、開いた状態では普通のスマートフォンと使い勝手は変わりません。
さて、折りたたみのスマートフォンは、ディスプレイを途中まで開くことで、テーブルの上にそのまま置いてカメラなどを使えます。Pocket Sのディスプレイは途中の部分では90度近く開いたポジションで使えるものの、ヒンジはがっちりと固定されません。そのため、「開く」「閉じる」「90度で使う」の3パターンの形状で使うことになります。このあたりは自由な位置で止められるGalaxy Z Flip4の方が自由度があります。
さて、Pocket Sは本体を閉じたままで丸型のアウトディスプレイをタッチしてある程度の操作ができます。一番使える機能はカメラで、閉じたままでも4000万画素の広角と1300万画素の超広角カメラを使い高画質な自撮りができます。カメラの切り替えも画面タッチでできるので、グループセルフィーも楽に撮れます。
P50 Pocketは中国で一番売れている折りたたみスマートフォンだそうです。価格が引き下げられたPocket Sの登場で、Huaweiの折りたたみスマートフォンの人気はさらに高まることでしょう。
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