「折りたたみスマホ」の世界シェアは23年もわずか1.3% 普及のカギを握るものは?

» 2022年12月21日 11時10分 公開
[山本竜也,ITmedia]

 フレキシブルディスプレイメーカーのRoyoleが、世界初の折りたたみ端末FlexPaiを発表したのは2018年11月のこと。それを皮切りに各社から折りたたみスマートフォンが相次いでリリースされ、現在では「折りたたみ端末」という1ジャンルを築いています。

折りたたみスマホ 折りたたみスマートフォンの代表格といえる、サムスン電子の「Galaxy Z Fold4」

 残念ながら、日本国内でリリースされている折りたたみスマートフォンは、SamsungのGalaxy Z FlipとZ Foldシリーズしかありませんが、世界に目を向ければ、XiaomiやHuaweiが毎年のように新端末を投入しており、先日もOPPOが折りたたみスマートフォン「OPPO Find N2」と「Find N2 Flip」が発表されています。2023年にはGoogleも折りたたみのPixelをリリースするといううわさも出ており、活気づいているジャンルです。

 Display Supply Chain Consultants(DSCC)の調査によると、折りたたみスマートフォンの出荷台数は2022年の第3四半期に過去最高を記録したものの、第4四半期には主に米国市場でiPhone 14シリーズに押されて失速。前四半期比で48%減少、前年同期比で25%減少の320万台に落ち込む見込みです。とはいえ、2022年通年では、前年比64%増の1300万台になると予想されており、少しずつですが成長はしています。

折りたたみスマホ DSCCの調査では、2022年第3四半期に過去最高を記録した折りたたみスマートフォンの出荷台数は第4四半期に失速

 2022年第3四半期の折りたたみスマートフォン全体でのシェアは、Galaxy Z Flip4が52%でトップ。次いでGalaxy Z Fold4の27%、HUAWEI P50 Pocketが8.6%となっています。

 Galaxy Z Flip4の地域別生産シェアも掲載されており、米国市場での落ち込みが顕著に見て取れます。反対に、日本では第4四半期にわずかに上昇。日本国内では、Galaxy Z Fold4よりもGalaxy Z Flip4に力を入れてプロモーションをしているようなので、その成果が表れているのかもしれません。

折りたたみスマホ Galaxy Z Flip4の地域別生産シェア。日本でのシェアがわずかに上向いています

 なお、DSCCのCEOであるRoss Young氏は、2023年のSamsungのシェアは2022年の78%から72%に低下すると予想。中国からの新規参入を含め10ブランドが折りたたみスマートフォンを出荷するとしています。また、競争の激化により価格が低下、2023年には折りたたみスマートフォン市場が33%成長して1700万台に達すると予想されています。

 日本でもSamsungが折りたたみスマートフォンを積極的に投入しています。筆者も2021年11月から1年間、Galaxy Z Flip3を使い続け、2022年11月にGalaxy Z Fold4に機種変更しました。普段から出掛ける際にできるだけ荷物を減らしたいと思っていたので、折りたたんでポケットに入れられる、かつディスプレイも保護できるGalaxy Z Flip3はピッタリでした。

 最近はリアルでの発表会やイベントも増えており、カメラを持ち歩く機会が増えました。必然的にバッグも持ち歩くようになり、持ち運びやすさにこだわる必要がなくなってきていました。そのため、大画面で動画や電子書籍も見やすいGalaxy Z Flod4に乗り換えた次第です。なお、乗り換えるにあたり、Suicaなどの利用の際にいちいち端末を取り出すのが面倒になるのではと危惧していましたが、ちょうど良いタイミングでSuicaが使えるPixel Watchがリリースされ、事なきを得ています。

 個人的には便利に使っている折りたたみ端末ですが、この1年間、ガジェット系のライターやブロガー以外では、折りたたみスマートフォンを利用している人を見かけたことがありません。筆者の行動範囲が狭すぎるだけという可能性はありますが、電車内などでも見かけないので、認知は向上しているももの、一般に浸透するには至っていないということなのでしょう。

 IDCが12月に発表した2022年のスマートフォン全体の出荷台数は12億4000万台。2023年は前年比2.8%増の12億7030万台と予想しています。折りたたみスマートフォンの1700万台は、約1.3%に過ぎません。本格的に普及するには、まだ時間がかかりそうです。

 普及を妨げている原因の1つは、割高な価格と考えられますが、Ross Young氏の言うように、競争により低価格化が進むなら、もう少し普及はしそうです。参入メーカーの少なさも要因の1つといえます。日本国内でも競争を促進するため、Samsung以外のメーカーに折りたたみスマートフォンをリリースしてほしいところです。

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