楽天モバイルは、日本郵政グループとの提携をきっかけに始めた郵便局内の店舗を縮小すると発表した。楽天モバイル郵便局店は現在、280店舗あるが、そのうち、約200店舗を閉鎖し、80店舗に集約する。
この記事は、毎週土曜日に配信されているメールマガジン「石川温のスマホ業界新聞」から、一部を転載したものです。今回の記事は2022年1月21日に配信されたものです。メールマガジン購読(税込み月額550円)の申し込みはこちらから。
一方で、全国2万カ所にある郵便局には楽天モバイルのパンフレットを設置し、オンライン契約を促していく。
継続運営される80店舗は、主に実機を複数台、展示するスペースを確保できる場所になるという。
楽天モバイル広報によれば、郵便局はリピーターが多く通う場所なのだという。楽天モバイルに興味を示さない客が何度も郵便局を訪れてきても、結局、いつまで経っても顧客獲得にはつながらない。郵便局への出店はすでに1年半以上が経過していることもあり、郵便局を訪れる客への認知は充分ということで、200店舗の閉鎖を決めたようだ。
ただ、郵便局には局内のスペースを1日、いくらかで貸すという商売が存在する。楽天モバイルも一つの郵便局に1日数万円を支払い、出店していたのだろう。スタッフの人件費もかかることから、コストを削減したいという狙いがあるのは間違いない。
一方で、昨年末ぐらいから一部のSNSなどで「楽天モバイルショップが続々と閉鎖されている」という情報があった。実際に筆者も赤坂を歩いていたら、楽天モバイルショップの閉店作業を目にしたこともあった。
しかし、楽天モバイルによれば、キャリアショップの店舗展開の方針については変更はなく、ニーズがないと判断されたところは撤退する一方で、新規出店も継続して行われているということだ。実際に閉店した店舗の数も限定的だという。
やはり、3キャリアがサブブランドやオンラインプランを強化し、一方で、多少、高くても購入したいと思わせるスマートフォンの新製品がないなかで、そもそも、キャリアショップに行こうというモチベーションが湧かなくなっているのは事実だ。
iPhoneが1円やゼロ円で買えるというのであれば、キャリアショップに行くかもしれないが、そうした販売方法も封じられるとなれば、いよいよキャリアショップの存在価値はなくなっていくのかも知れない。
NTTドコモがショップを減らそうとする中、代理店が生き残りを賭けて転売ヤーとタッグを組むという、常識では考えられない状況を生み出している。
楽天モバイルの郵便局店は撤退しやすいので、可視化されやすいのだろうが、いずれ楽天モバイルに限らず、ほかのキャリアのショップも街から消滅していくことになるのか知れない。
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