燃料費高騰などから値上げされつつある電気料金。身近なランニングコストがかかる中、スマートフォンやタブレット端末にかかる電気料金について興味がある方もいることだろう。今回は、スマートフォンなどの端末を充電した際にかかる電気料金について考えてみた。
携帯電話をはじめとしたリチウムイオンバッテリーが採用されている商品の電気料金は、機種に搭載されているバッテリーの容量で変わってくる。あくまで充電時となり、充電しながら利用した場合とは異なるので注意していただきたい。
基本的に120W充電などを利用したとしても、バッテリーに充電した電力容量は変わらないため、消費電力的に差は少ないのだ。
120W充電と言われると大きな数字に思うかもしれないが、これらの機種は20分で充電が終わる。これは45Wの急速充電器で1時間かけて充電する場合、18Wで2時間かけて充電した場合と計算上は大きな差はない。
リチウムイオンバッテリーは定格電圧3.7Vとし、電気料金は東北電力の従量電灯Bの1kWh 29.28円で算出した。計算式と実例は以下の通りだ。
これを見て分かる通り、スマートフォンに関しては1回あたりのフル充電コストは1円以下となった。これは毎日1回充電したとしても、月々15〜20円ほどだ。4人家族として考えた場合でも、1カ月あたり多くても100円といったところだ。タブレット端末でも大容量のバッテリーを採用する機種で1回1円程度になる。
また、フル充電後も少量だが電気が流れ続けることがある。これは“待機電力”という形で消費されることになる。これについてはちりも積もれば山となるという形にはなるが、多く見積もっても月数円の世界となる。給湯器やエアコンなどに比べると微々たるものだが、使わないときはコンセントから外しておくとよさそうだ。
今回は携帯電話の充電にかかる電気料金を計算してみたが、多く見積もっても月に20円程度、4人家族でも100円ほどという試算結果になった。節電が叫ばれる世の中ではあるが、月に20円程度であれば大きな問題にはならないだろう。
それでも気になる方は電気料金プランを見直してみるといい。携帯電話をはじめとした機器の充電は就寝前に行うユーザーも多いので、夜間電力が安価になるプランに切り替えるのもアリだ。
夜間電力プランは時間指定はあるものの、夜間は1kWhあたり20円以下のものが多い。試しに東北電力の夜間電力プラン「よりそう+ナイト8」の夜間電力。1kWhあたり11.12円で計算してみる。
このように夜間電力を利用すると電気料金を安価に抑えられる場合がある。今回のプランは夜間の消費電力が一般的な従量電灯Bに比べて約38%の料金に収まるため、4人家族でも35〜40円前後と単純計算で半額以下となっている。
ただ、夜間電力プランは昼間の電気基本料金が従量電灯に比べて高価な傾向がある。日中自宅で過ごす夜間勤務や、リモートワークなどの頻度を考慮して適切なプランを選ぶとより効果的に節約できそうだ。
携帯電話の充電にかかる電気料金についてまとめたが、思ったほどかからない印象を受けた。それでも毎日使うものなので、消費電力はちりも積もれば山となる。
気になる方は充電後に充電器をコンセントから外す、電気料金プランを見直すなどの対策をすると、スマートフォンやデジタルガジェットについては効率よく節電できるはずだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.