価格が比較的高い折りたたみスマートフォンは先進国向けというイメージが強いが、新興国を中心に製品展開しているTecnoは、MWC2023で「Phantom V Fold」を発表した。新興国での需要は未知数だが、インドでは5Gサービスも始まったことでプレミアムモデルへの注目も集まりつつある。Phantom V Foldの価格は日本円で15万円程度と高価だが、インドでは発表直後から大きな話題になっている。
Tecnoは「格安スマホ」のイメージが強く、インドで所得の比較的高い消費者が選ぶメーカーにはなっていない。インドではXiaomiの人気が非常に高いが、Xiaomiは折りたたみスマートフォン「Xiaomi Fold 2」をインドで発売していない。Phantom V Foldは「インド人の憧れスマホ」になり、Tecnoの他の製品の販売増も期待できるだろう。
折りたたみスマートフォンは最先端のディスプレイ技術を応用するモデルであり、まだメジャーメーカーのみが開発できる製品と考えがちだ。しかしSamsungが2019年に折りたたみスマートフォン「Galaxy Fold」を発売して以降、Samsung以外のディスプレイメーカーも折りたたみディスプレイの開発を急いでいる。
その結果、折りたたみディスプレイの価格引き下げや耐久性も高まりつつある。加えて、ヒンジの開発も進化が進んでおり、構成パーツ数の大幅な減少により、折りたたんだときの厚さも年々薄くなっている。
Samsungも負けじと3つ折り式など新しい形状のディスプレイの開発を急いでおり、2023年は他のメーカーからも折りたたみスマートフォンが出てくる時代になるだろう。うわさの「Pixel Fold」も年内に登場するかもしれない。
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