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“楽天モバイル初のMVNO”が誕生した背景 法人メインだが、個人向け格安SIM登場の可能性もMVNOに聞く(2/3 ページ)

» 2023年05月17日 06時00分 公開
[石野純也ITmedia]

訪日外国人向けWi-Fiルーターや監視カメラなどで引き合い

―― 具体的に、MVNEとしてはどういったサービスに提供されているのでしょうか。

金子氏 実際にわれわれが展開しているMVNEでは、サービサーの方に何GBという形でデータSIMを提供しています。例えば3日で10GBのようなものを作り、監視カメラで上りの通信を大量に安く提供するといったこともやれています。

―― 発表後の反響はいかがでしたか。今後、ユーザーは増えそうでしょうか。

金子氏 反響は非常に大きかったですね。エンドユーザーさんからお話があったり、コロナ明けということもあり、来日外国人観光客向けにWi-Fiルーターを貸し出す会社や、セキュリティ用の監視カメラを提供する会社からも引き合いが多くあったりします。

―― 少し意地悪な質問ですが、エリアで3キャリアに比べて見劣りする点は、マイナスにならないでしょうか。

金子氏 エリアはどんどん広がってきていますし、そこにシビアなWi-Fiルーターを貸し出す会社のようなところの場合、セカンド、サードのSIMを入れるような形でいろいろなキャリアをかませてリカバリーする仕組みがあります。楽天の強いところはどんどん生かしていきたいですね。

―― センサーIoT的なものはいかがですか。

金子氏 そちらもやっていく準備をしています。設備側で対応できる。ただ、それは楽天モバイルが主体となって、NB-IoTのような形になるのかもしれません。あれは(無線側の)設備に直結するところがありますから。通常のLTEで小容量のものを安くというのは、われわれが対応しますが、NB-IoTのようなものになると楽天モバイルになります。

MVNO向けに楽天回線を提供する可能性もある

―― 相互接続での提供ということになると思いますが、接続料は支払っているということですよね。

金子氏 楽天モバイルからは、MVNOに対して平等な接続料のレートが出ています。私たちもきっちり決められた額を払っています。楽天モバイルから仕入れるコストは、ビジネス見合いでやっています。楽天コミュニケーションズには、フュージョン時代からやっているサービスや、強みの1つであるクラウド型コンタクトセンターもあります。コンタクトセンターの場合、固定電話だけでなく、携帯電話もセットで提供できる。シナジーで稼ぐことを追求していきたいと考えています。

―― 法人事業というと、楽天モバイルも法人向けプランを始めました。そことのグループ内競合はないのでしょうか。

金子氏 競合はあまりないと考えています。楽天モバイルの音声SIMを法人向けに提供するというようなことに関して、私どもも取引先のチャネルに取り次いでやっています。データSIMにはデータSIMのよさがあり、私たちのきめ細かなデータSIMが作れます。ワンストップで、お客さまに合った形でやることができます。

楽天コミュニケーションズ 楽天モバイルが提供している法人向けプラン。こちらは音声通話にも対応している

―― MVNEとして、いわゆる格安SIM、格安スマホと呼ばれているようなMVNOに回線を提供する可能性もありますか。

金子氏 それもありえます。今、MVNOは全国に1600社以上あります。そこに対して、キャンペーンを打とうと思っています。また、電気通信事業者として届け出ている会社は2万以上あるので、もう少し幅広く捉えようかとも考えているところです。

楽天コミュニケーションズ 楽天コミュニケーションズはMVNEとして、MVNOのサポートも行う

―― 例えばですが、今マルチキャリアでやっているMVNOに「タイプR」のようなプランができる可能性もあるということですよね。

金子氏 3番目、4番目の回線として使ってくださいということはお声がけしていきますし、もう少し小ぶりのところ(MVNO)にもお声をかけたいと思っています。

―― その場合、やはり料金の安さが売りになるということですか。

金子氏 純粋に4番目の回線というだけだとメリットがないかもしれませんが、大手の事業者は(安く提供するなどを)考えていると思います。楽天モバイルを入れるなら、ということで、既存3社に説明がつく新しいプランを出す可能性はあります。

―― それは楽しみですね。ちなみに、現在データSIMのみですが、音声の需要はないのでしょうか。

金子氏 現状は、音声の話が来ると、楽天モバイルの法人向け音声SIMを(そのまま)提供しています。もちろんわれわれならではの世界があれば音声をやってもいいのですが、今、音声通話は全般的に減っています。その中で、いつ踏み切るのか。ひとひねり、ふたひねり必要なものがあれば、喜んで参画します。

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