ChatGPT×LINEのサービスが急増 “スマホ視点”で対話型AIとの向き合い方を考える(2/3 ページ)

» 2023年05月19日 06時00分 公開
[井上晃ITmedia]

LINEでAIチャットサービスを使った感想

 では、ユーザー視点まで降りた場合、こうしたサービスの使用感はどうなのだろうか。ここでは「AIチャットくん」を中心に、いくつかのAIチャットサービスを試用してみたので、それらを俯瞰(ふかん)したインプレッションをお届けしたい。

 ちなみに、「AIチャットくん」に関しての概要と詳細な使用感は、別途紹介している。

 そもそもスマートフォンの「LINE」を何に使うかと考えたとき、筆者の場合は、家族や親族、親しい友人との連絡手段がメインだった。その他のSNSのDM類と比べると、より“近さ”のあるコミュニケーションツールに思える。そういう意味で、プラットフォームの特性とAIチャットとの相性はなかなかいいと思う。風呂上がりのちょっとした時間でも、電車に乗って移動している最中でも、フランクにAIに語り掛けやすいからだ。Googleで検索しているときとは、恐らく意識のモードが少し違う。

 問いかけてからすぐにレスポンスが返ってこず、数秒から1分ほどのギャップがあるのも、なんというか“LINEみ”があってよい。もしちょっと的外れな返答が来ても、何だか友人とのやりとりでもよくあることだなと思え、そこまでストレスにならずに聞き返せた気がした。PCのブラウザからワクワクしながらChatGPTを使っていたときと比べると、的外れな返答へのがっかり感も少ない。

AIチャット 「猫っぽく話すと?」との指示で、語尾がニャになり、だいぶカジュアルになったAIチャットくん

 一方で、AIチャットサービスで「友人のようなカジュアルな会話ができるか?」という問いには、まだ「No」と答えたい。日本語の返答には、どうしても堅さが残るからだ。「取引先の新入社員とチャットをしているような気分」とでも言うのだろうか。正直言えば、ジョークでもまぜて、もっと失礼に接してくれた方が筆者好みである。

 より砕けたやりとりがしたい場合には、ユーザー側でプロンプト(命令文)の工夫が必要になる。例えば、「猫っぽく話して」と指示しておくことで、語尾を「にゃ」にして猫っぽく話してもらったりすれば、大げさにはなるがクスりとニヤけるような返答をしてくれるだろう。ただ、何度お願いしても猫になってくれないなど、“機嫌が悪い”ときもあった。

AIチャット 医学的なアドバイスはしてくれないものの、相談相手にはなってくれる(左)。メールの文面を考えたり、プログラミングの方針を考えてもったりするのも便利そうだ(右)
AIチャット そのまま使えなさそうなメール文の例(左)。聞き方や文脈で返答が変わってくるのがよく分かる例(右)

 ちなみに、LINE botとしてのAIチャットサービスは、現在は無料で使えるところもあるが、基本的には「無料で答えてくれる質問が1日何問までと定まっていて、それ以上は有料プランを契約すると利用できる」というスタイルになると思われる。その点を鑑みても「AIが友達になるかも……。“有料で”」というのは、評価が難しいところだ。

 こうしたプロンプトの工夫が面倒だという場合には、グロースケットが4月7日にリリースした「よりそいAI」のようにカジュアルな対話に特化して設計されたアプリを使った方が良いだろう。

 このようにプロンプトの工夫が煩雑であったり、利用限度があったりという点を鑑みると、「LINE botは便利ツールである」と認識しておいた方が、やはり受け入れやすい。例えば、メールのテキストを考えてもらうなどは特に便利だと感じた。「これは60点くらいかな…」という不自然な返答が生成されることも多いが、少し手直しすれば十分使えるので、時短術という意味では役に立ちそうである。

LINEでAIチャットを利用する際の注意点

 一方、LINE上でのAIチャットサービスは、良く悪くも、とても簡単に使えてしまう。今はまだITツールへのアンテナ感度が高い人が使っている印象だが、今後はより広い層が手にすることになるだろう。そうなってくると、ある種のリテラシーが求められるようになる気はする。

 例えば、筆者が思いついた注意点は3つある。1つ目は、AIチャットが出力する「ハルシネーション」(もっともらしいでたらめ)に注意しなくてはならないこと。2つ目は、AIチャットに機密情報は入力しないこと。3つ目は、医学的な内容など、AIチャットが答えてくれない情報もあると知っておくこと。

 2つ目の機密情報についてについて、AIチャットサービスはOpenAIのAPIを用いており、APIは言語モデルの学習には使われないとされている。それでも、利用規約が改定される恐れもあるし、Open AI側が入力した情報を閲覧する可能性はゼロではないので、個人情報や機密情報は入力しない方が安全だ。

 他にもあるとは思うが、このくらいを押さえておけば、日常使いでの大きなトラブルは避けられるのではないだろうか。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年06月10日 更新
  1. iOS 27は「iPhone 11」以降で利用可能 iOS 26から据え置きで過去最大のiPhoneに対応 (2026年06月09日)
  2. あなたの街の「スマホ決済」キャンペーンまとめ【6月版】〜PayPay、d払い、au PAY、楽天ペイ (2026年06月08日)
  3. 「iOS 27」はアプリの起動速度が30%高速、最適な通信切り替えも iPhone 11やiPhone SE(第2世代)も対応 (2026年06月09日)
  4. JR東日本が2027年春から「二次元コード乗車券」を導入 近距離券売機での磁気券は順次廃止へ (2026年06月09日)
  5. ソフトバンクが「今回もやる」とGalaxy S26を月額1円で販売――販売方法を早急に見直さないと撤退を迫られるメーカーも (2026年03月08日)
  6. IIJmioのスマホ大特価セール 中古「iPhone SE(第3世代)」が4980円、「OPPO Reno11 A」が9980円など (2026年06月09日)
  7. 次世代の「Siri AI」発表 ユーザーを理解した応答が可能、表現力も向上 26年後半に英語から対応 (2026年06月09日)
  8. 「それ、家じゃダメなの?」──スタバ長時間滞在に冷ややかな目 “スマホ操作”に“PCで仕事”も (2026年06月07日)
  9. WWDCで「折りたたみiPhone」に言及なしも、Apple版「大画面×AI」に期待できるワケ (2026年06月09日)
  10. 【ワークマン】1900円の「アーバンマルチストレージトート」 ポーチ代わりになるポケット付き (2026年06月09日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー