OCN モバイル ONEは“ドコモのサブブランド”になるのか? レゾナント合併後の将来像を予測する石野純也のMobile Eye(3/3 ページ)

» 2023年05月27日 09時00分 公開
[石野純也ITmedia]
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エコノミー強化を宣言したドコモ、OCN吸収はその布石か

 経営陣も、それを示唆するコメントを出していた。ドコモの代表取締役社長、井伊基之氏は、5月12日の決算説明会でコンシューマー事業における今期の見通しとして、「お客さま還元影響でここ数年減益が続いていたが、23年度は中大容量プランの拡大に加えてエコノミープランによる小容量の強化、コスト削減などで増益への転換が目指せるところまできた」と語っていた。中大容量プランのユーザーが増加していることや、コスト削減を続けているのはこれまでの路線を踏襲している一方で、小容量を担うエコノミーの強化は新たな戦略といえる。

ドコモ NTTの決算会見で、井伊氏は小容量プランを強化することを示唆していた

 井伊氏が小容量の強化を語る際の単語が「エコノミーMVNO」ではなく、「エコノミープラン」だったことは、単なる言い間違いではなく、NTTレゾナントを吸収合併する布石だった可能性もある。ドコモは現在、小容量を担う料金プランとして、MVNOとタッグを組んだエコノミーMVNOを展開しており、OCNモバイル ONEに加え、フリービットグループのトーンモバイルやTOKAIコミュニケーションズのLIBMOがここに参画している。

 エコノミーMVNOはドコモの料金プランに位置付けられてはいるものの、あくまで提供しているのは第三者であるMVNO。井伊氏のコメントとは裏腹に、いくらここを強化してもドコモの収益強化にはつながりにくい。エコノミーMVNOが増えても、ドコモが受け取れるのはあくまで接続料でしかないからだ。

ドコモ コンシューマー事業を増益に転換させるための手段の1つとして、井伊氏は小容量の強化を挙げた

 こうした点を問われた井伊氏は、「重要な戦略の部分で歯切れが悪くなってしまって申し訳ない」と前置きしつつ、「小容量のところについてはこれからも激しい競争が続く。単純に値段だけの競争ではだめだ」と語っていた。この“重要な戦略”がNTTレゾナントの吸収合併や、それに伴うOCNモバイル ONEの直接運営だったというわけだ。料金プランの見直しをするかどうは別に、少なくとも7月1日以降は、OCNモバイル ONEのユーザーが支払った料金が直接ドコモの収入になる。

 ただ、OCNモバイル ONEをMVNOとして残しておくのは、あまりに効率が悪い。先に述べたように、ドコモの回線をいったん子会社のNTTコミュニケーションに貸し出し、それを再度、ドコモに戻してサービスを提供しているからだ。常識的に考えれば、間に子会社のNTTコミュニケーションを挟む必要性はなく、同じドコモとしてギガホやahamoのように直接サービスを提供した方が無駄も省ける。

 これに近い例では、KDDIもUQ mobileを統合した当初は、MVNO時代の設備を引き継いでいた。そのため、5Gや国際ローミングなどへの対応が当初はできていなかった。auと同等のサービスを提供できるようになったのは、くりこしプランの後継である「くりこしプラン +5G」の提供を開始してからだ。この時点で、auと設備を統合している。開発期間を要するため、経営統合したからといって、すぐに設備まで合わせることができないのが実情だ。

ドコモ KDDIはくりこしプラン +5Gで、サービスをauと統合した。当初はSIMカードの変更が必要だったことも、システムを刷新していることを裏づける

 このような点を踏まえると、OCNモバイル ONEをMVNOのままにしておく理由は少ないことが分かる。すぐにはできないかもしれないが、どこかのタイミングで料金プラン変更とともに、システム構成を入れ替える可能性は十分ある。ドコモから“真のサブブランド”が登場するのは、そのときになりそうだ。

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