OCN モバイル ONEは“ドコモのサブブランド”になるのか? レゾナント合併後の将来像を予測する:石野純也のMobile Eye(1/3 ページ)

» 2023年05月27日 09時00分 公開
[石野純也,ITmedia]

 NTTドコモは5月25日、傘下のNTTレゾナントを7月1日に吸収合併することを発表した。NTTレゾナントは、グループの再編に伴いNTTコミュニケーションズとともにドコモの子会社になった。もともとgooなどを運営していた企業だが、再編後は、NTTコミュニケーションズからコンシューマー向けのOCNが移管され、サービスを行っていた。モバイル分野では、MVNOとしてトップシェアを誇る「OCNモバイル ONE」を運営している。この吸収合併によって何が起こるのか。その将来を予想した。

ドコモ ドコモは、7月1日に子会社のNTTレゾナントを吸収合併することを発表した

OCNモバイル ONEはドコモの直運営に、過去には近いケースも

 ドコモは、7月1日にNTTレゾナントを吸収合併する。これに伴い、ドコモから回線を借りる形でMVNOとしてサービスを展開しているOCNモバイル ONEも、ドコモ自身が運営する形に変わる予定だ。プロバイダーのOCNなども、ドコモのサービスになる。ドコモによると、吸収合併後もMVNOとしてのサービスを継続していく予定になっているという。これは、現在と同じ構造を維持することを意味する。

 ドコモ自身がドコモ回線を使って提供するサービスをMVNOと呼ぶのはいささか不可解だが、現在、OCNモバイル ONEはMVNE経由でサービスを行っている。ドコモ自身とL2接続しているのは、子会社のNTTコミュニケーションズだ。形としては、いったんドコモから回線をNTTコミュニケーションズに貸し出し、その上でドコモがNTTコミュニケーションズを使ってMVNOとしてサービスを提供する。この仕組みを踏まえると、ドコモの言い分も理解できる。

ドコモ 21年10月に発表された中期経営計画で、グループ再編の第2ステップとしてNTTコミュニケーションズが持つOCNモバイル ONEなどをNTTレゾナントに移管することが明かされていた。これが実行されたのは吸収合併のちょうど1年前になる22年7月だ

 吸収合併の理由として、ドコモは営業体制や開発力などの経営資源強化や、意思決定の迅速化を挙げている。完全子会社とはいえ、会社が分かれていることで、ドコモの戦略がタイムリーに反映されていなかった側面があったということだ。モバイル回線だけでなく、プロバイダーのぷららとOCNなど、ターゲットが重複している事業も多いため、合併で効率化を図るのは戦略として自然だ。

 子会社や関連会社が始めたMVNOを、回線の提供元であるMNOが吸収し、自身のサービスにした事例は過去にもある。代表的なのは、KDDIのUQ mobileだ。UQ mobileは、もともと、KDDIの子会社であるKDDIバリューイネイブラーが設立。そのKDDIバリューイネイブラーが同じくKDDIの関連会社でWiMAXなどを提供していたUQコミュニケーションズと合併し、本体であるKDDIとは一定の距離を置いたMVNOになった。

ドコモ 今ではKDDIの低料金ブランドとして主力になっているUQ mobileも、当初は子会社が設立したMVNOだった
ドコモ 15年10月には、UQコミュニケーションズとKDDIバリューイネイブラーが統合。サービス提供はUQコミュニケーションが担当することになった

 一方で、競争の激化に伴い、2020年10月にはKDDI自身がUQ mobileの事業を承継。もともと、auとUQ mobileという2大ブランド体制を引いていた同社が、その位置付けがさらに明確になり、料金プランやサービスのすみ分けもタイムリーに行われるようになった。翌2021年の2月には、現行料金プランである「くりこしプラン +5G」の原型ともいえる「くりこしプラン」を導入し、データ容量無制限のauと小・中容量で低料金のUQ mobileというすみ分けが図られた。政府が要求していたMNOの値下げに対する受け皿にもなったといえる。

ドコモ 20年10月には、KDDI本体に事業を承継。同社は、このころからマルチブランド戦略を明確に打ち出すようになった
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