英Nothing Technologyは、Androidスマートフォン「Nothing Phone (2)」を正式に発表した。7月25日に発売する。
Nothing Phone(2)の価格はメモリ8GB+ストレージ128GBモデルが7万9800円、12GB+256GBモデルが9万9800円、12GB+512GBモデルが10万9800円(全て税込み)。公式オンラインストアでは、7月21日0時から購入予約を受け付ける。
NothingはOnePlusの共同創業者であるカール・ペイ氏が2020年に英ロンドンで創業した新興メーカーだ。2022年に最初の「Nothing Phone(1)」を発表し、スマートフォン事業に参入した。
第2弾となるNothing Phone(2)では、独特のデザインをブラッシュアップ。カメラやプロセッサなどの性能を向上させている。独自UIは新バージョンの「Nothing OS 2.0」となり、背面が光って通知する「Glyph Interface」の機能が拡張された。
発売に先立ち、Nothigngは日本の報道関係者向けにプレブリーフィングを実施した。アキス・イワンジェリディス(Akis Evangelidis)氏がオンラインで登壇し、Nothing Phone(2)の強化ポイントを紹介した。
Evangelidis氏によると、Nothingブランド全体でこれまで150万ユニットを販売しており、このうちスマートフォンは30万台を販売しているという。日本ではクリエイティブな製品のユーザーからの支持が高く、Nothing Phone(1)を購入した日本のユーザーのうち50%がiOSからの乗り換えだったとしている。
2021年のNothing Phone(1)と同様に、透明な背面パネルを採用する。背面の造形では、調和のとれた左右対称的なデザインとなるように、細かな点で改善させている。
例えば、前作ではパネル越しに見えていたチャージングコイルは、設計の見直しによりサイズを縮小。コネクター部以外は見えないように仕上げて、上質感を高めた。また、背面のガラスパネルはカーブガラスへと変更し、持ちやすさを高める工夫も行っている。
側面のフレームは100%リサイクルアルミニウム素材を採用。プラスチック部品の80%以上でリサイクルプラスチックやバイオプラスチックを採用するなど、環境面にも配慮した。Evangelidis氏によると、前作よりも大きな本体を採用しながらも、カーボンフットプリントの5kgの削減に成功したという。
背面に組み込まれたLEDの発光によって情報を伝える「Glyph Interface」は、Nothing Phone(2)でも踏襲している。背面は16カ所にLEDライトが組み込まれており、点灯の仕方でスマホを伏せたままでも通知が来ているかを把握できる。
Glyph Interfaceで光らせる部分をより細かく設定できるようにしたことで、どのアプリからの通知なのかを判別しやすくしている。
Nothing OS 2.0では、Glyphインタフェースの機能も強化されている。特定の連絡先やメッセージアプリなど、優先的に通知したアプリについては、スマートフォンを開くまでライトを点灯させ続けられるようになった。
新たなアプリとして、Glyphコンポーザーを搭載。光り方を自分で設定して、オリジナルの着信音を作成できるようになった。
また、Glyph Interfaceの機能が一部のサードパーティーアプリに提供される。Uber Eatsでは、注文した料理が到着するまでの時間を背面のライトの点灯状況で確認できるようになっている。
また、Nothing OS 2.0から、輝度の自動調整の設定が追加されている。暗い部屋で使った場合などに、光のまぶしさを抑えられるようになっている。
Nothing OS 2.0では、ロック画面とホーム画面のデザインが刷新されている。統一感のあるウィジェットをホーム画面にまとめて配置することで、情報を集約したダッシュボードを構築できる。また、ウィジェットをロック画面へ配置できるようになっている。
Nothingオリジナルのウィジェットはアップデートで順次追加されており、2023年内には、25種類のウィジェットの提供を目指すとしている。また、ホーム画面の新機能としてアプリのアイコンの色を一括でモノクロに設定できる「モノクロームモード」が追加されている。
プロセッサはQualcomm製のSnapdragon 8+ Gen 1(8コア)を搭載しており、Snapdragon 778G Plus搭載の先代からパフォーマンスが80%向上しているという。メインメモリとストレージの組み合わせは8GB+128GB、12GB+256GB、12GB+512GBの3種類を展開する。
ディスプレイは先代の6.55型よりも大きな6.7型のLTPO有機ELディスプレイを採用し、低消費電力での1〜120Hzの可変リフレッシュレート駆動を実現した。解像度は1080×2412ピクセル。HDR10+をサポートする。1〜120Hzの可変リフレッシュレート駆動に対応する。
アウトカメラは広角+超広角の2眼で構成されており、どちらも5000万画素センサーを搭載する。広角側がソニー製のIMX890(5000万画素)で、F値は1.88。焦点距離は35mm判換算で24mm相当。超広角カメラはSamsung製の「JN1」(5000万画素)を搭載する。F2.2で画角は114度となっている。インカメラは3200万画素のソニー製IMX615センサーを搭載する。
カメラのイメージ処理には18ビットISPを活用し、前世代機比で最大4000倍の撮像データ処理を実現。カメラ撮影のソフトウェア部の改善により、画質を向上させている。Evangelidis氏によると、カメラ関連のソフトウェアの開発チームを100人規模の体制に拡大し、今作の開発に挑んだという。
5GはSA、NSAの両モードをサポートする。5G NRの対応バンドはBand n1、n2、n3、n5、n7、n8、n12、n20、n25、n28、n30、n38、n40、n41、n66、n71、n75、n77、n78。デュアルSIMをサポートする。
防水・防塵(じん)性能はIP54相当。ステレオスピーカーを搭載する。生体認証は顔認証と指紋認証に対応する。NFCをサポートし、Google Payを利用できる。ただし、FeliCa(おサイフケータイ)には非対応となっている。
バッテリー容量は4700mAh。USB PD規格で最大45Wの急速充電をサポートしている。充電時間は最短で55分。ワイヤレス充電は、Qi規格の15W急速ワイヤレス充電をしている。他の機器へ無線給電するリバースチャージも対応する。
サイズは約76.4(幅)×162.1(高さ)×8.6(奥行き)mm、重量は約201.2g。カラーバリエーションはホワイトとダークグレーの2色。Nothingがデザインしたシースルー仕様のUSB Type-Cケーブルが付属する。
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