iOS 17のパブリックβ版を試す 「連絡先ポスター」が楽しく便利、PDF編集機能の強化も石野純也のMobile Eye(1/3 ページ)

» 2023年07月15日 06時00分 公開
[石野純也ITmedia]

 iOS 17のパブリックβ版が、7月13日に登場した。同日から、iPhoneユーザーは簡単な手続きをするだけで最新バージョンのβテストに参加できるようになる。現行バージョンのiOS 16からその方法が簡略化され、iPhone上でインストールしたいOSの選択が可能になった。現行バージョンのOSに戻す際には、リセットが必要になってしまう点は変わっていないため、利用時には注意が必要だが、従来以上に一般のユーザーがパブリックβ版をお試ししやすくなっているといえそうだ。

iOS 17 7月13日に、iOS 17のパブリックβ版が登場した。その新機能をチェックしていきたい

 Appleは、iOS 17でコミュニケーション関連の機能をアップデートした。「連絡先ポスター」は、その代表例だ。同機能を使うと、ビジュアルに凝った自らの連絡先を作り、共有することが可能になる。また、PDFの編集機能が強化されたり、ウィジェットが多機能化したりと、使い勝手を上げるような進化も遂げている。

 ここでは、iOS 17のパブリックβ版をもとに、注目の新機能やその使い勝手を紹介していく。なお、本来、パブリックβ版のスクリーンショットは規約で一般公開が禁止されているが、筆者は取材に基づく許可を得ている点は、あらかじめお断りしておきたい。

iOS 17iOS 17 iPhone内のメニューを操作するだけで、パブリックβ版へのアップデートが可能になった。あまりに簡単になったため、誤アップデートには注意したい

連絡先交換を再定義する「連絡先ポスター」と「NameDrop」

 iOS 17をインストールして最初に試したのは、連絡先ポスターだ。自分の連絡先をあたかもポスターのように装飾して、電話をかけた相手の着信画面に表示させるというのがこの機能の特徴だ。iOS 17をインストールしたiPhoneで連絡先を起動し、自らの電話番号やメールアドレスを登録するための「マイカード」を開くと、連絡先ポスターの作成が促される。

iOS 17 マイカードを開くと、連絡先ポスターの作成を促される

 といっても、作成方法は簡単。写真やミー文字、タイポグラフィーを選び、色などを選択していくだけだ。日本語に設定している場合、名前の縦書き表示を選択することも可能。写真にエフェクトをかけ、文字を配置し、色を選ぶだけで作業は完了する。手順や操作方法は、iOS 16で刷新されたロック画面に近い。被写界深度エフェクトをかけたり、フィルターをかけたりすることで、なんとなく“いい感じ”の連絡先ポスターに仕上がる。

iOS 17iOS 17 名前を入力してから、どのタイプのポスターを作るかを決める。ここでは写真を選択した
iOS 17iOS 17
iOS 17iOS 17 写真にフィルターをかけることもできる。設定の仕方は、ロック画面に似ている
iOS 17iOS 17 文字の色を変えたり、縦書きしたりといったことも可能だ
iOS 17 オッサンの写真そのままだと生々しいため、フィルターをかけてみた。欧文は横書きにしか対応していないため、せっかくなのでということで名前は縦書きを選択。これで、連絡先ポスターは完成だ

 電話をかける相手がその連絡先ポスターを登録していた場合、着信時に、それが全画面で表示される。写真やミー文字、タイポグラフィーといったイラスト的な要素が強く、文字も大きいため、誰からの電話かが分かりやすくなるのが、この機能のメリットだ。自分の顔写真が相手の端末にデカデカと表示されてしまうのは、さすがに恥ずかしい……という人は、ミー文字やタイポグラフィーを選択しておけば無難なものが作れそうだ。

iOS 17 もう1台のiPhoneの連絡先に筆者の連絡先ポスターを登録して、電話をかけてみた。画面いっぱいに写真と名前が広がるインパクトは大きく、誰からの連絡かが分かりやすい

 初めて連絡先を交換する際には、双方のiPhoneがiOS 17になっていれば、「NameDrop」を利用できる。これは、AirDropを拡張した機能で、連絡先ポスターの交換に特化している。端末の上部を重ねるように近づけると、ノッチ(TrueDepthカメラ)の周りが光り、自らの連絡先ポスターが表示される。ここで「共有」を選ぶと、自分と相手の連絡先ポスターが交換される。「受信」をタップし、相手から送ってもらうだけにすることも可能だ。

iOS 17iOS 17 2台のiPhoneの上部を近づけると、ノッチ部分から光が漏れ出す(写真=左)。そのままの状態で少し時間がたつと、画面上に自分の設定した連絡先ポスターが表示される。ここでは、「受信のみ」と「共有」を選択可能
iOS 17 「共有」を選ぶと、相手の連絡先ポスターも送られてくる。これで、お互いの端末に連絡先ポスターを登録し合うことができた

 連絡先を交換するだけ、と言ってしまえばそれまでだが、フィーチャーフォン時代の赤外線通信をアップデートしたような所作や、ノッチの周りが光って連絡先ポスターが吸い込まれていくようなエフェクトが面白い。今や、連絡先交換といったらLINE IDの登録が定番になってしまったが、手軽さや演出のうまさではNameDropに軍配が上がる。iOS 17の相手を見つけて、思わず試してみたくなる機能といえる。

 自分が作成した連絡先ポスターを、連絡先に登録した相手に共有する機能も備えられている。設定は2通り。1つは、連絡先に登録した相手と共有するというもの。もう1つが、都度、共有するかどうかを確認するというものだ。後者にしておくと、電話がつながった際に、画面上に連絡先ポスターを共有するかどうかの通知が表示される。ただし、今回のテストではこれがうまく機能しなかった。同じApple IDを登録したiPhone同士だったためなのか、パブリックβ版だったからなのかは不明だが、後者の場合、正式版までの改善に期待したい。

iOS 17iOS 17 連絡先ポスターは、許可したときに相手に送ることが可能(写真=左)。連絡先に登録した相手に、自動で送信する設定も用意されている(写真=右)
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