スマホの月額料金は減少傾向、端末は約7万円の中高価格帯が人気に MM総研のスマホ実態調査

» 2023年08月22日 16時39分 公開

 MM総研は、8月22日に携帯電話の月額利用料金と音声通話/データ通信サービスの利用実態について発表した。調査対象は15〜69歳の男女2万7543人。

 携帯電話の月額利用料金について、端末代金の分割支払い分を含まない実際の支払総額を分析した。スマートフォン利用者全体は4317円で前回調査から141円減少し、2020年12月時点との比較では1017円減少した。MNO4ブランドのスマートフォン利用者の月額利用料金は5047円で、楽天モバイルを除くMNOのフィーチャーフォン利用者は2452円、サブブランド利用者の月額利用料金は3033円、MVNO利用者の月額利用料金は1909円となった。

MM総研 携帯電話の平均月額利用料金の推移
MM総研 携帯電話の平均月額利用料金(2023年7月)

 端末の割引前購入金額はスマートフォン利用者全体で7万338円となり、前回調査から677円増加。要因はスマートフォン全体の発売時価格が上がっていること、2万〜3万円台の低価格帯比率が減少した一方で6万円台以上の中高価格帯比率が上昇したことだと考えられる。5Gスマートフォン利用者は8万208円、4Gスマートフォン利用者(3Gを含む)は5万7247円で、OS別にみるとiOS(iPhone)は9万6184円、Androidは5万3924円となった。

MM総研 端末の平均購入金額の推移

 スマートフォン利用者の月間データ通信量は「わからない」と回答したユーザーを除き、平均データ通信量は10.33GB、中央値は3GB。有効回答のみを対象とした場合、月間通信量は「1GB」が27.3%、「2GB」が10.9%、「3GB」が18%で、56.2%のユーザーが3GB以下となる。平均利用量に近い「10GB」までのユーザーで77.5%を占め、10GB超ユーザー比率も上昇した。

MM総研 スマートフォンの月間モバイルデータ通信量(2023年6月)
MM総研 スマートフォンの月間モバイルデータ通信量の推移

 月間Wi-Fiデータ通信量は「わからない」を除き、Androidユーザーは10.4GB、iPhoneユーザーは11.7GB。全体は10.93GBで、月間モバイルデータ通信量の平均(10.33GB)と合わせた月間総通信量は約21.26GBとなる。データ通信量の構成比としてはモバイルデータ通信量の48.6%に対し、Wi-Fi通信量は51.4%と1:1に近づいている。

MM総研 スマートフォンの月間Wi-Fiデータ通信量

 また、海外の先進諸国として6カ国(米国、英国、フランス、ドイツ、オーストラリア、韓国)の大手1位キャリアの月額料金プランを調査し、日本の料金プランとの違いについて考察した。音声通話とSMSは海外の大部分のプランで無制限となっている一方、日本の音声通話は22円/30秒の従量課金と5分(10分)/1回の時間制限付きでの無料プランが目立ち、データ通信容量も米国は無制限プランが基本となっている。英国では1GBの低容量から250GBの大容量プランに加えて無制限プランも存在し、ドイツと韓国も英国と同様。フランスとオーストラリアは20GB以下が存在しない点と、無制限プランが存在しない点で共通している。日本では複数キャリアが採用している段階制プランが海外キャリアにはなかった。

MM総研 日本/海外キャリアの料金プラン一覧

 月額料金は国としての政策方針もあり、2年半で1000円以上安くなった一方、データ通信容量が10GB程度にとどまっている。これは月額料金を抑えるために携帯キャリアが設定している料金プランと、ユーザーが契約プランのデータ容量上限を強く意識した使い方をしているためと分析する。

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