「iPhone 15/15 Pro」で変わるAppleのラインアップ戦略 無印モデルの“復権”なるか石野純也のMobile Eye(2/3 ページ)

» 2023年09月16日 10時00分 公開
[石野純也ITmedia]

プロモデルはプロセッサを刷新、カメラの新機能や素材でも差を出す

 これに対し、「iPhone 15 Pro」や「iPhone Pro Max」はプロセッサに「A17 Pro」を採用しており、スタンダードモデルとの差別化を図っている。A17 Proは、製造プロセスが3ナノメートルに微細化しており、トランジスタ数が190億個に拡大。機械学習の処理を担うニューラルエンジンの性能が向上し、処理能力は最大で2倍に増加している。また、GPUも5コアから6コアに増加した。

iPhone 15
iPhone 15
iPhone 15 iPhone 15 Pro、15 Pro Maxには、A17 Proが搭載されている。ニューラルエンジンやGPUが大きく刷新された

 ニューラルエンジンやGPUの性能向上は、iPhone 15 ProやiPhone 15 Pro Maxで実現できる機能に直結する。例えば、プロモデルにのみ採用されたハードウェアアクセラレーションの「レイトレーシング」は、その一例だ。A16 Bionicにも、ソフトウェアベースのレイトレーシングは採用されているが、プロセッサに組み込んだことで、その速度は4倍向上し、ゲームなどのグラフィックスがより表現豊かになる。

iPhone 15 ハードウェアアクセラレーションのレイトレーシングに対応。速度が4倍高速化している

 iPhone 15シリーズ共通で初めて採用されたUSB Type-Cのスペックも、プロセッサによる差が出た。4機種とも充電はUSB PDで最大27Wだが、既報の通り、データ転送速度が大きく異なる。iPhone 15、15 PlusはUSB 2.0の480Mbpsなのに対し、iPhone 15 Pro、15 Pro MaxではUSB 3.2 Gen2の10Gbpsを実現する。これは、A17 Proに専用のUSBコントローラーを搭載しているからだ。

【訂正:2023年9月20日20時00分 初出時、iPhone 15 Pro、15 Pro MaxのUSBの対応規格に誤りがありました。おわびして訂正いたします。】

iPhone 15 USBコントローラーも内蔵。これによって、10Gbpsの転送速度を実現した。この部分は、スタンダードモデルとの違いだ

 プロセッサだけではないが、カメラ機能もプロモデルはiPhone 14シリーズから向上している。iPhone 15 Pro Maxに搭載される、テトラプリズム型の5倍望遠カメラはその代表的な例だ。大型化のボディーを生かし、光を4回屈曲させることで5倍もの望遠を実現しており、一般的なペリスコープ型のカメラと比べるとレンズも明るい。メインのカメラはiPhone 14 Pro、14 Pro Maxと同じ4800万画素で、ピクセルピッチも実質2.44μm、センサーシフト式の手ブレ補正が第2世代であることは変わらない。

【訂正:2023年9月16日11時20分 初出時、「センサーシフト式の手ブレ補正が第2世代に進化している」としていましたが、iPhone 14 Proも第2世代のセンサーシフト式手ブレ補正に対応しています。おわびして訂正いたします。】

iPhone 15 iPhone 15 Pro Maxは、望遠カメラを刷新。120mmの5倍ズームを可能にする

 さらに、メインカメラの画角を3つから選択可能になった。iPhone 14 Pro、14 Pro Maxが24mmなのに対し、iPhone 15 Pro、15 Pro Maxでは24mmに加え、28mmや35mmを選択することが可能。これまでもiPhoneでも、ズームリングを回してこうした画角を選ぶとメインカメラにデジタルズームがかかっていたが、iPhone 15 Pro、15 Pro Maxではそれをデフォルトとして設定でき、撮影の自由度が増している。実に細かな画角調整だが、レンズ交換式カメラを意識した機能はプロユースに応えるためのもの。静止画の「ProRAW」や動画の「ProRes」に対応しているのも、プロモデルだけだ。

iPhone 15 広角カメラの標準画角を24mm、28mm、35mmから選択できるのも、プロモデルの特徴だ

 本体にチタンを採用し、軽量化を図っているのもiPhone 15のプロモデルに共通した特徴となる。可変リフレッシュレートの「ProMotion」や、それを生かした常時表示ディスプレイに対応しているのもプロモデル2機種だけ。プロセッサ以外にも、スタンダードモデルとプロモデルの差は依然として多く残されている。

iPhone 15
iPhone 15 フレームにチタンを採用。質感を向上させるとともに、軽量化にも成功した

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年06月11日 更新
  1. スマホの“ミニ”外付けディスプレイが流行の兆し? 若者がインカメラではなく「アウトカメラ」で自撮りする理由 (2026年06月10日)
  2. IIJmioのスマホ大特価セール 中古「iPhone SE(第3世代)」が4980円、「OPPO Reno11 A」が9980円など (2026年06月09日)
  3. ドコモの通信障害に“AIエージェント”が先手 「SNSの投稿」も常時監視するオペレーションセンターの裏側 (2026年06月10日)
  4. JR東日本が2027年春から「二次元コード乗車券」を導入 近距離券売機での磁気券は順次廃止へ (2026年06月09日)
  5. ソフトバンクが「今回もやる」とGalaxy S26を月額1円で販売――販売方法を早急に見直さないと撤退を迫られるメーカーも (2026年03月08日)
  6. iOS 27は「iPhone 11」以降で利用可能 iOS 26から据え置きで過去最大のiPhoneに対応 (2026年06月09日)
  7. 「Pokemon GO Fest 2026:東京」のモバイル通信は快適だった? 初対策の楽天モバイルがピーク時に“最速”も記録 (2026年06月10日)
  8. あなたの街の「スマホ決済」キャンペーンまとめ【6月版】〜PayPay、d払い、au PAY、楽天ペイ (2026年06月08日)
  9. 「iPadOS 27」発表 Siri AI対応で生産性が向上、スクショから調べ物も可能に (2026年06月09日)
  10. あのシャープが「ウェアラブル」に参戦? スマホ「AQUOS」新製品予告 詳細は16日に発表 (2026年06月10日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー