J.D.パワーは、9月27日に「2023年携帯電話サービス顧客満足度調査」の結果を発表した。対象は18〜74歳のスマートフォン利用者で、大手キャリア部門が9500人、バリューキャリア部門が4200人、MVNO部門が2600人、オンライン専用ブランド/プラン部門が2400人。
本年の総合満足度は、大手キャリア部門は前年比+2ポイントの597ポイントで前年調査(2022年9月発表)からの大きな変化は見られず、バリューキャリア部門は前年比+5ポイントの639ポイントとやや向上。ファクター別では総合満足度への影響度が最も大きい「通信品質」のスコアが前年から+14ポイント向上している。
MVNO部門は前年比−4ポイントの650ポイント、オンライン専用ブランド/プラン部門は前年比−11ポイントの655ポイントとどちらも「通信品質」ファクターがとくに低下している。中でもオンライン専用ブランド/プランは大手キャリアやバリューキャリアと比べて毎月のデータ使用量が多く、他部門のユーザーと比べてつながりやすさを敏感に感じたユーザーが多いと推察される。
業界全体での総合満足度は前年比+4ポイントながら、ファクター別に見ると「手続き/サポート対応」ファクターの満足度は前年から+15ポイント向上。中でも「オンライン」での手続き/サポートの満足度が最も向上し、調査対象となった全14ブランド中9ブランドで前年からスコアが10ポイント以上向上した。
オンラインサポートで利用したページ/機能別に満足度を見ると「ビデオ通話によるサポート」を利用したユーザーの満足度が737ポイントと最も高い。前年と比較すると「オペレーターとのチャットによるサポート機能」(有人チャット)や「AIチャットボット機能」(AIチャット)を利用したユーザーの満足度が大きく向上し、提供品質の高まりが伺えた一方で半数前後のユーザーが「目的の用件が解決しなかった」と回答している。
携帯電話会社を変更する際の予約番号発行が不要となり、乗り換え先の携帯会社で申し込めばMNP手続きを進められる「MNPワンストップ」が2023年5月に開始された。しかし「内容まで詳しく知っている」は6%、「なんとなく知っている」は15%で、80%が「知らない」と回答した。年代別でも大きな違いはなく、10〜20代は77%が、60代以上では84%が「知らない」と回答している。
大手キャリア部門の総合満足度1位はNTTドコモで、「通信品質」「サービスメニュー」「手続き/サポート対応」の3ファクターで最高評価を獲得。バリューキャリア部門は2年連続で「Y!mobile」、MVNO部門は3年連続で「IIJmio」、オンライン専用ブランド/プラン部門は3年連続で「LINEMO」が総合満足度1位となった。
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