最後に性能について比較する。プロセッサはPixel 8 Proが「Tensor G3」、iPhone 15 Pro Maxが「A17 Pro」となっている。Tensor G3はAIとの組み合わせ、A17 ProはGPU性能の向上によるグラフィックスの進化が特にアピールされている。
Pixel 8 ProはPixel 7の機械学習モデルと比べて、約150倍もの計算量で生成AIを実行可能になったとのことで、カメラのパートで少しだけ紹介した「ベストテイク」「音声消しゴムマジック」もTensor G3により端末で処理できるようになったという。
A17 Proの処理速度はA16 Bionic(でのソフトウェア処理)比で4倍に向上し、「崩壊:スターレイル」「原神」「バイオハザード」などのタイトルでその性能が大いに発揮される点が発表会で紹介されていた。A17 ProのGPUは光や影などの描写をする際、リアルタイムでレンダリングし、高品質なグラフィックスを実現している点が売りの1つとなっている。
実際のスコアも気になるので、CPUやGPUなどの性能を確認できるベンチマークアプリ「Geekbench 6」をPixel 8 ProとiPhone 15 Pro Maxに入れて確認してみた。結果は次のようになった。
ご覧の通り歴然の差であることが分かる。Pixel 8 Proのシングルコアスコアもマルチコアスコアも「Snapdragon 8 Gen 2」を搭載する他社のフラッグシップモデル「Galaxy S23 Ultra」「Galaxy S23」と比べると低い。一方でiPhone 15 Pro Maxはシングルコアスコアもマルチコアスコアも約1年前に発売された「A16 Bionic」搭載の「iPhone 14 Pro Max」「iPhone 14 Pro」よりも高いスコアをたたき出しており、明らかな性能向上が分かる。
とはいえ、Pixel 8 ProでもWebや地図の閲覧、YouTube動画の視聴などといった程度なら、不便を感じることはほとんどない。
このようにPixel 8 ProとiPhone 15 Pro Maxは使い勝手も性能も大きく異なる。これまでのPixel 7シリーズやそれ以前のモデルからの乗り換えならPixel 8 Proがいいはずだ。Google標準のアプリが最初から使えるし、AI活用のカメラ機能もより楽しめるはずだ。
一方で性能面ではPixel 8 ProがiPhone 15 Pro Maxの背中を追いかけられるレベルに達していない。ゲームやグラフィックスを重視して選ぶならiPhone 15 Pro Maxの方がいいのではないだろうか。
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