無事iPhone 15もiPhone 15 Proも発売されて何より。今回はメインカメラがどれも48MP(4800万画素)のセンサーになり、ぱっと見は「無印とProの違いって望遠カメラの有無だけ?」と思われかねないけど、実際にそうなのか、実は両者のカメラ性能の違いは大きいのかそれほどでもないのか、その辺を中心に無印vsProで比べつつカメラ機能を見ていきたい。
と思ったのだけど、使ってみると、「まずiPhone 15シリーズ共通の進化点に注目すべきじゃね」となったのでそこからだ。
それは2つ。
1つはデフォルトの画像サイズが12MPから24MPになったこと。
もう1つは「いつでもどこでもポートレート」である。
そこからいくべし。
今回、iPhone 15 PlusとiPhone 15 Proを使わせてもらった。
新しい端末を手にすると、何はともあれ「設定」の「カメラ」を見る。
「フォーマット」を開くと「写真モード」の解像度が「12MPか24MP」かを選べるようになっていて、デフォルトが24MP(2400万画素)なのだ。
48MPのイメージセンサーとはいえ、デフォルトを24MPにしたのはびっくり。
ここで24MPに指定した際、実際に24MPで撮影されるのは「1x以上2x未満」のとき。それ以外は12MPで撮影される。ナイトモードでも12MPになる。
メインカメラで日常的な撮影をするとき、今までの1200万画素(4032×3024ピクセル)より解像度が高い2400万画素(5712×4284ピクセル)で撮ろうってことだ。実際に撮り比べると、確かに24MPの方がいい。
24MPにすると、その分ファイルサイズは大きくなるので、サイズを抑えたい人は12MPにしていいのか、というとまったく問題ないけれども、iPhone 15 Proの人は24MPがおすすめ。理由は後述する。
なお、1x時に限り48MPでの撮影もできる。
iPhone 15シリーズでもう1つの注目は「勝手にポートレート」(と勝手に名付けた)。
人物や猫や犬を見つけると、ワンテンポ遅れて(即座、ってわけじゃない)画面の隅に「f」のアイコンが現れる。レンズの絞り値を表す、いわゆる「F値」のfだ。
これは「ポートレートモード」で撮りますよの印。fをタップして黄色くすると、ポートレート機能が発動して前後がボケた写真になるのだ。
じゃあ、タップしなかったらどうか。
通常の写真が撮られる。
実はポートレートモードってオンにしてもしなくても記録される写真は変わらないのだ。ただ、ボカした写真を作るための各被写体との距離情報を一緒に記録しているだけなのである。
よって、あとから写真アプリで「ポートレート」をオンにして背景をボカしたり輪郭強調などのライティングを施すことができるし、逆に背景をボカして撮っても後からそれをオフにできる。
実に柔軟な仕組みなのだ。
これは最高に素晴らしい。
しかも、従来の「ポートレート」モードより優れた点がある。それは「1.2x」とか「2.3x」といった中途半端な倍率でも使えること。
iPhone 15シリーズなら「1xから3x」の間の好きな倍率で「ポートレート」撮影できるのである。
これも最高に素晴らしい。
しかもさらに。人や猫や犬以外の被写体のときも背景ぼかしたいことがあるよね。料理でも何でも。
そういうときは撮りたい被写体をタップすればいい。すると、「f」アイコンが出てポートレートモードで撮影できる。
これもまた素晴らしい。
しかも、今までのポートレートモードってちょっと遠い被写体を撮ろうとすると「2.5m以内じゃないとだめ」っていわれたけど、iPhone 15シリーズからはそれを言われなくなった。被写体との距離をほぼ気にしなくてもよくなったのである。
ってことは、従来の「ポートレート」モードいらないんじゃね? で6文字分も場所とるのだし、と思うよね。
私も思う。
でも、従来通り「ポートレート」モードはついている。
まあ、写真モードでの「ポートレート」はボケ量やライティングは後から「写真アプリ」で調整してね、その場ではできないよ、であり、ポートレートモードはその場でボケ量とかライティングを決められるという違いはある。
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