NTT法は2025年の通常国会までに「廃止」が「既定路線」か――防衛財源の確保という「建前」はうやむやに:石川温のスマホ業界新聞

» 2023年12月03日 10時00分 公開
[石川温]
「石川温のスマホ業界新聞」

 今週、NTT法のあり方を巡って、自民党のプロジェクトチームがまとめた原案から表現などに一部修正が入った上で、提言をまとめていくという報道があった。

 22日の会合では、公平競争の整備やNTTが担うユニバーサルサービスの維持については「別の法律で担保する」とし、廃止時期も「再来年の通常国会を目処に」という表現に修正される方向だという。

 結局、NTT法は「廃止」であり、単に時期がちょっとだけ遅れただけに過ぎないようだ。

 本来は「防衛財源の確保」が、NTT法のあり方に対する議論のきっかけだったにも関わらず、NTT株の売却についてはうやむやで終わってしまうと見られている。

 「NTT法について解説して欲しい」ということで、11月25日、大阪・朝日放送で東野幸治さんがMCをしている「正義のミカタ」に出演してきた。

 番組には政界に通じている先生方も多くおり、番組中やCM中にいろいろと聞いてみたが「NTT株を売るなんて馬鹿げている」という結論でまとまってしまった。

 NTT株を一時的に売ってしまうよりも、所有し続けて、継続的に配当を受け続けるほうがいい。防衛財源の確保など、国債を発行するなど、ほかにもやり方はいろいろあるということであった。

 おそらく、自民党のプロジェクトチームとしても「売却より保有」のほうが長期的にメリットがあると判断したのではないか。しかし、何かしらの成果を出さなくてはならないので、「NTT法は廃止」という結論に至ったのだろう。

 総務省関係者に話を聞くと、当然のことながら「NTT法をなくすなんて絶対にありえん」というスタンスだ。

 プロジェクトチームが「再来年の通常国会を目処に」としたことから、来年は総務省で有識者会議が何度も開かれ、NTT法は見直しか廃止かの議論が展開されるのだろう。

 ここで、総務省が上手いこと「廃止ではなく見直し」というシナリオを描き、NTT法の維持につなげることができるのか。それともNTT側の強い主張で「廃止」になっていくのか。

 「NTT法を廃止して別の法律で縛れば良い」とNTT側は主張するが、それでは「設備を関連会社に移してシェアを下げ、縛りから逃れるのではないか」とソフトバンクの宮川潤一社長は警戒しており、このあたりを納得させられるかがNTTには重要だろう。

 2024年は日本の通信業界にとって、大きな節目を迎える年になるかも知れない。

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