2022年に発売された「Xiaomi 12S Ultra」は、ライカとのコラボレーションによって、カメラ性能に大きく磨きをかけたスマートフォンとして注目された。そして2023年、新たなライカ監修スマートフォン「Xiaomi 13シリーズ」「Xiaomi 13T シリーズ」が矢継ぎに発売され、早くも第4弾の「Xiaomi 14シリーズ」が登場した。
今回は中国向けの上位モデル「Xiaomi 14 Pro」を手にする機会を得たので、レビューしたい。なお、Xiaomi 14 Proは技適を取得していないため、総務省の特例制度を利用している。特例制度では、技適のない海外の端末に対し、所定の届け出を行うとWi-FiやBluetoothの通信が可能になるというものだ。
Xiaomi 14 Proはカメラ性能重視のスマートフォン。本体のスペックは以下の通り。
画面サイズは6.73型と大型の部類といえる。中国CSOT製パネルを搭載し、画面解像度は2K+。画面輝度もピーク時3000ニトとかなり高く、屋外でも利用しやすい。
デザインはおおむねXiaomi 13シリーズを踏襲しており、チタンフレーム版は仕上げや重量が異なる。今回レビューしたグリーンは、金属フレームにガラスパネルを組み合わせているが、安物感は感じさせない質感だ。
プロセッサはQualcommの最新「Snapdragon 8 Gen 3」を世界で初めて採用している。今期のAndroid端末向けプロセッサとしては最上位となり、高い基本性能はもちろん、ISP性能やAI性能が向上したことでカメラ性能の向上にも大きく寄与している。
搭載メモリは12GBまたは16GBと必要十分だ。冷却性能も向上しており、プロセッサとの組み合わせもあって、長時間のゲームも問題なく遊ぶことができた。ストレージもUFS4.0規格の高速なものが採用されている。省電力ながら高速の伝送が可能になっており、仮想メモリなどを利用してもパフォーマンスの低下を抑えられているという。
Xiaomi 14 Proを使ってみると、最新ハイエンド機ということもあって動作にストレスは感じない。Snapdragon 8 Gen 3の効果か、本体の発熱も以前に比べて抑えられているように感じた。
例えばゲーム「原神」のような高負荷なコンテンツを1時間ほど続けてプレイしても、極端に「熱い」と感じることは少なかった。優秀なプロセッサと高度な冷却設計が織りなした結果と評価できる。
また、高度なAIアクセラレータを搭載したことによって「Xiaomi版消しゴムマジック」とも評される「Magic Eraser」も強化された。人物の検出精度や処理速度もGoogle Pixel 8 Proなどと大差なく、高速かつ正確に処理される。
高音質のステレオスピーカーも引き続き搭載している。Xiaomi 13 Proで廃された上部の独立グリルが今回は復活したため、サウンドのクリア感が向上した。本体スピーカーの音もかなり良好な印象で、音量よりも「高音質での再生」に力を入れていることがうかがえる。
バッテリーの持ちについても、前作のXiaomi 13 Proからは体感的に大きく向上している。2023年に評価の高かった「Galaxy S23 Ultra」などと同等か、それ以上の持ちと評価できる。加えて、独自の制御チップによる充電制御や120Wの高速充電、50Wのワイヤレス充電と10Wのリバースチャージにも対応している。
Xiaomi 14 Proでは120Wの充電に対応している。ソフトバンクがXiaomi 13T Proなどで訴求している、いわゆる「神ジューデン」と同じ仕様だ。急速充電に対応した充電器も付属する。
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