「Pixel 8 Pro」にGoogleの生成AIモデル「Gemini Nano」搭載 その他の「Feature Drops」も一気に紹介

» 2023年12月07日 09時46分 公開
[佐藤由紀子ITmedia]

 米Googleは12月6日(現地時間)、5月のGoogle I/Oで予告していた新たな生成AIモデル「Gemini」の最小サイズモデル「Gemini Nano」を「Pixel 8 Pro」に搭載したと発表した。

 gemini 1

 Geminiは、マルチモーダルとしてゼロから構築した、「テキスト、画像、音声、動画、コードなど、様々な種類の情報を一般化してシームレスに理解し、操作し、組み合わせることができる」AIモデルとGoogleは説明する。

 Gemini Nanoはデバイス単体で稼働できるようコンパクトサイズにしたバージョンのGemini。コンパクトとはいえ、「Tensor 3」搭載のハイエンドPixelでのみ稼働可能だ。

 テキスト関連の機能はまずは英語でのみの対応で、日本語対応は未定とのこと。本稿では、同日発表されたGemini関連の2つの新機能と、12月版の「Feature Drops」として発表されたその他の新機能を簡単に紹介する。

「レコーダー」アプリで録音した音声の要約

 英語のみだが、「レコーダー」アプリで録音した音声をテキストで要約できるようになる。Gemini Nanoのおかげでオフラインで可能だ。録音したテキストの画面で「Summersize」ボタンをタップするだけだ。Google I/Oで予告していた機能だ。

キーボードアプリ「Gboard」のスマートリプライ

 こちらも当面は英語のみだが、キーボードアプリ「Gboard」のスマートリプライが端末内で生成できるようになる。これもGoogle I/Oで予告していた。

 まずは英語版のWhatsAppで試せる。2024年にはより多くのアプリで利用できるようになる見込みだ。

 ここからは、その他のPixelの新機能だ。

動画の手ブレ補正「動画ブースト」と「ビデオ夜景モード」

 Pixel 8 Pro発表時に近日実装予定と予告していた「動画ブースト」と「ビデオ夜景モード」が同日のアップデートで実装された。

Googleフォトの「ポートレートライト」強化

 人物のポートレートの位置や明るさを調整する機能「ポートレートライト」が新しいAIモデルによって強化され、より自然に加工できるようになった。

Googleフォトの「ボケ補正」強化

 「Pixel 7」以降で使える「ボケ補正」機能もAIで強化され、走ってくるムクムク犬の写真も1タップでクリアにできる。

 unblur 右が補正後

折りたたみ「Pixel Fold」で撮影前のプレビューが可能に

 デュアルスクリーンの折りたたみ端末「Pixel Fold」で、内側のカメラで人物を撮影する際、被写体の人物は外側の画面で写り方を確認できるようになった。

 fold Pixel Foldでの撮影プレビュー

Pixel端末をノートPCのWebカメラ代わりに

 Pixel 6以降のPixelシリーズのスマートフォンをUVCをサポートするPCにUSB経由で接続することで、PCの内蔵Webカメラより高解像度のWeb会議用カメラにできるようになった。

「カメラ」アプリの「クリーン」機能で文書の汚れを除去

 Pixelシリーズの「カメラ」アプリの新機能「Clean」は、スキャンしたドキュメントから汚れやシワを除去する。数回のスワイプで文書をきれいにできるとしている。「Googleドライブ」アプリが必要。また、利用できるのは、5G搭載のPixel Tablet、Pixel Fold、Pixel 5a以降のみ。

 clean レシートについてしまったコーヒーカップの輪染みもきれいに

Googleの「パスワードマネージャー」へのパスキー追加が簡単に

 5G搭載のPixel Tablet、Pixel Fold、Pixel 5a以降のモデル上の「パスワードマネージャー」で、パスキーをサポートするアカウントについてpingを送信するようになり、数回タップするだけでパスキーを追加できるようになった。

「修理モード」追加

 12月14日以降のAndroidの更新で、空き容量が2GB以上あるPixelには「修理モード」が追加される。

 修理モードは、Pixelを修理に出す際にオンにすることで、修理の前後にデータをワイプ、復元する必要がなくなる新機能。詳細は日本語ヘルプを参照されたい。

通話画面でのスマートリプライ

 Googleアシスタントが有効になっているPixel Foldを含むPixel 6以降のPixelモデルの英語版に搭載されている通話画面でのスマートリプライが、Pixel Watchでも利用できるようになる(日本語対応時期は不明)。

Pixel WatchでPixelスマートフォンのロック解除

 Pixel Fold、Pixel 4a以降のPixelシリーズのスマートフォンのロックを、ペアリングしているPixel Watchを近づけるだけでロック解除できるようになる。「Google Pixel Watch」アプリの「スマートウォッチの設定」→「セキュリティ」で設定できるようになるようだが、本稿筆者のアプリではまだ項目が表示されない。Googleによると、これを有効にするとPixel Watchのバッテリー持続時間が短くなるという。

Pixel Tabletのビデオ会議の音声向上

 「Pixel Tablet」のビデオ通話で、Google AIによって背景ノイズが低減され、音声品質が向上した。

Pixel Buds Proのヘッドトラッキングによる空間オーディオ

 詳細は日本語ヘルプを参照のこと。

天気と時計が合体したウィジェット

 世界時計と天気予報をまとめた新しいウィジェットが追加された。

 widget

初代Pixel Watchでもおやすみモードの同期が可能に

 Pixel Watch 2にあるペアリング端末のおやすみモードの同期が初代Pixel Watchでも利用可能になった。

 各新機能がどのモデルに対応するかの一覧表(英語)を以下に転載する。ただし、日本語対応かどうかはこの表には記載されていない。

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