独断と偏見で選ぶ2023年の「ベストスマホ」5機種 カメラなら一択、復活を印象づけたメーカーも(3/3 ページ)

» 2023年12月31日 13時00分 公開
[佐藤颯ITmedia]
前のページへ 1|2|3       

1位:待望のUSB Type-C端子になって大幅モデルチェンジしたiPhone 15シリーズ

 2023年に最も印象的だったスマートフォンは、USB Type-C端子を搭載したiPhone 15シリーズだ。充電端子の変更は欧州域での規制もあって「近いうちには実現する」と言われていたが、これが現実のものとなった。

 iPhoneがUSB Type-C端子を搭載したことで、AndroidスマートフォンやiPadなどのタブレット端末はもちろん、近年ではノートPCとも端子が共用となるため、充電ケーブルは1本で済むようになった。従来までのiPhoneユーザーはLightningケーブルを別途持たねばならなかっただけに、これは大きな変革だ。

 筆者はiPhone 15 Proを入手した。USB Type-C端子になった恩恵は思ったよりも早く感じられ、真っ先に実感したことは持ち出すケーブルが減ったことが行動の変化だった。周囲で購入したユーザーからも「電子タバコとケーブルを兼ねられる」といった喜びの声が見受けられた。

iPhone 15 Pro USB Type-C端子を初採用したiPhone 15シリーズ。利便性が大きく向上した

 また、端子の変更によって周辺機器との相性も大きく向上した。特にUSB-DACなどのサウンド関連はAndroidやWindows向けのものがそのまま利用でき、選択肢が大きく広がった。これ以外にもディスプレイ出力や外付けSSDの接続が手軽になるなど、利便性も大きく向上する場面が見られた。

 既に100円ショップなどで「USB Type-C端子化したiPhone」をターゲットにした製品もいくつか出ており、対応するアクセサリーが増えつつある。これは副次的な効果として、Androidスマートフォンのアクセサリーも拡充されることになり、イヤフォンジャックへの変換アダプターやUSBケーブルについては入手性の向上などが今後考えられる。

iPhone 15 Pro 100円ショップでも「DAC付イヤホン変換アダプタ」が発売されるなど、iPhoneを考慮した製品が現れた
vivo X100 Pro USB Type-C端子付きになったiPhoneの恩恵は、周辺機器面でも実感できた

 また、USB2.0止まりの伝送速度だったLightningでは、iPhone 13 Pro以降で撮影可能な「ProResフォーマット」で撮影した大容量の動画転送においてボトルネックになることが指摘されていた。これに対してiPhone 15 Proシリーズでは「USB3」となり、伝送速度も最大10Gbpsまで向上した。こちらもLightning端子ゆえの足かせから解放された形だ。一方で標準モデルはProRes撮影ができないため、「USB2」準拠の480Mbpsまでの伝送速度にとどまる。

進化は少なくても「変化」は多かった2023年のスマートフォン

 さて、ここまで振り返ってみたが、2023年は順当に進化を遂げる「カメラスマホ」の衝撃を上回る出来事が多くあった。特に1位のiPhone 15はLightning端子という10年来の足かせを取っ払う製品であり、これは利便性の向上と共に1つの時代に終止符を打つような出来事だ。

 2位のMate 60 Proも異例の方法で発売され、ふたを開ければ自国製チップで固めるなど、米国の制裁という「足かせ」を感じさせない歴史的な製品だ。どちらも「携帯電話の歴史の教科書」なるものがあれば、間違いなく記載されるだろう。

 また、3位と4位はどちらも折りたたみスマホに関するものだ。今までの固定観念を覆す最先端のハードウェアに、多くの方に広く知ってもらうための積極的なマーケティングといった部分から、いよいよ「普及」の段階に入り始めたと感じる。日本ではモトローラの「razr 40」も10万円以下の価格で投入されるなど、着実に「折りたたみスマホ」という選択肢が増えつつある。

motorola razr 40 販売先や特典次第では10万円以下で購入できるrazr 40

 これらを踏まえて、2024年の端末動向を占うのなら、折りたたみスマホはより普及へ向けて各社アピールしていくことになる。サムソンの大々的なマーケティングはそれを如実に示しており、このようなスマートフォンをより身近な存在としたいという強い意志を感じる。

 日本向けにはGoogleが「Pixel Fold」、モトローラが「razr 40」でFeliCaに対応させるなど、日本向けの最適化も行っている。サムソン一強だったこのジャンルに競合ができることは市場の活性化にもつながってくる。グローバルではHONORやOPPOも製品展開をしており、後者は市況によっては日本投入も期待される製品だ。

 また、スマートフォンのカメラ性能はAI処理を通じてより賢くなると考える。Snapdragon 8 Gen 3がオンデバイスAI処理(オフラインでのAI処理)に対応したことで、各社画像処理、画像認識に長けたAIをスマートフォンに搭載できるようになった。これは写真や動画の画質向上以外の用途でも利用できるため、スマートフォンがよりユーザーにとって便利になるものと考える。

 ここに挙げた以外にも多くの「進化」や「変化」が起こった2023年。今回例に挙げた端末のみならず、Huaweiに対するさらなる制裁の強化、欧州のバッテリー交換を容易とする仕組みの義務化への流れをはじめ、スマートフォンを取り巻く情勢も変わりつつある。

 日本でも電気通信事業法の省令改正で値引き規制に再度メスが入るなど、市場動向も変化することが予測される。2024年以降もスマートフォンにまつわる「進化」と「変化」の動向を、注視して追っていきたい。

著者プロフィール

佐藤颯

 生まれはギリギリ平成ひと桁のスマホ世代。3度のメシよりスマホが好き。

 スマートフォンやイヤフォンを中心としたコラムや記事を執筆。 個人サイト「はやぽんログ!」では、スマホやイヤフォンのレビュー、取材の現地レポート、各種コラムなどを発信中。

前のページへ 1|2|3       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年05月30日 更新
  1. 陸マイラーの筆者が「ANAモバイル」を契約 20%マイル付与だけじゃない、“メイン回線昇格”の理由 (2026年05月27日)
  2. 「Rakuten Linkで着信拒否できない件」を楽天モバイルはどう考えているのか 置き去りにされた基本機能の行方 (2026年05月29日)
  3. スマホのバッテリー切れでも「モバイルSuica」は使える? “予備電力機能”がSNSで話題に (2026年05月29日)
  4. 「Xiaomi 17T」シリーズの価格は「非常に頑張った」 海外より激安 価格変動を抑えられた理由 (2026年05月29日)
  5. Switch 2の「箱の中にHDMIケーブルが入っていなかった」との問い合わせ、任天堂に寄せられる (2026年05月29日)
  6. ソフトバンクが「今回もやる」とGalaxy S26を月額1円で販売――販売方法を早急に見直さないと撤退を迫られるメーカーも (2026年03月08日)
  7. 「Xiaomi 17T」シリーズ6月4日発売 17Tも光学5倍カメラ、17T Proは7000mAhバッテリーやFeliCa搭載で11万9800円から (2026年05月28日)
  8. 極薄ベゼルの「Xiaomi Watch S5 46mm」、ノイキャン進化の「Xiaomi Buds 6」登場 約2.5万円〜/約1.6万円 (2026年05月28日)
  9. 厚さ約14mmの薄型急速充電器「CIO NovaPort SLIM DUO 65W 2C」が27%オフの4380円に (2026年05月28日)
  10. ケータイ感覚で使えるスマホ「MIVEケースマ」がau Flex Styleに登場 3万4800円で販売中 (2026年05月29日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2026年