1倍のメインカメラはカメラの性能向上とのトレードオフではあるものの、とにかくピンボケしやすくなっています。そのため、近景と遠景を同時に撮影するのが難しくなっています。
2倍望遠にすれば比較的ピントは合いやすくなりますが、例えばグッズや食事と風景を一緒に撮りたいときなど、2倍望遠では画角が狭すぎるシーンもあります。そんなときに使うと良いのが0.9倍です。
0.9倍は超広角カメラを利用するため、パンフォーカスチックな写真がとれます。画質は劣化するものの、1倍とほとんど同じ画角で全面にピントを合わせたいときは0.9倍が有用ですので覚えておくと良いでしょう。
2倍望遠の項目で「2倍はデジタルズームだが十分流しつである」と紹介しましたが、これは2倍に限らず1〜2倍域全てに該当します。
48MPセンサー機にはメインカメラの高画素センサーを生かした24MPモードがありますが、1.9倍までは1倍同様に24MPで保存が可能です。実際に撮影された写真を見ても、1〜2倍の間はデジタルズームを感じさせない映りに見えます。
iPhone 15 Proには1倍のボタンをタップすることで、24mm相当からカメラでよく使われる28mm、35mm相当の3段階に切替可能な機能がついています。設定より1倍のデフォルトの画角を28mm、35mmに切り替えることも可能なので、好みの設定で1〜2倍域を積極的に活用したいところです。
iPhoneの画角切り替えはあくまで画角を固定するものであり、使用するカメラの固定機能ではありません。
使用するカメラを最適化する自動切り替えの体験はおおむね悪くはないのですが、ユーザーに選択肢がないのは不親切です。特に、1倍時のマクロモードオフはあるものの、3倍望遠時は実質的にマニュアル切り替え不可であるのは時に不快と言ってもいいほどであり、実際に筆者がロケット撮影時にはレンズ切り替えの仕様のせいで何度も画角変更を余儀なくされ、決定的なシーンで最高のパフォーマンスが出せませんでした。
誰でも使いやすいオート機能を洗練させるのは良いことではありますが、ProRAWやクリエイティブルック等の機能を搭載する前に、最低限Proだけでも良いので利用するカメラを固定する機能が必要なのではないかと感じます。
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