ZTEが「nubia」ブランドのスマホで事実上の日本再参入 “売れ筋の価格帯”で勝負(2/2 ページ)

» 2024年03月14日 21時00分 公開
[金子麟太郎ITmedia]
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日本市場ではオープン市場で売れ筋となる価格帯から攻める

 しかし、ZTEジャパンとしては、日本でしばらくの間、ブランド戦略発表会や、新端末の発表会を開催していなかった。大きな発表の場であったドコモのM Z-01Kやワンナンバーフォンの発表会から、今回の発表会までブランクが空いているようにも思える。

 nubiaブランドの展開に際し、なぜキャリア向けの納入ではなく、オープン市場に自らの力で売り込む選択をしたのだろうか? 黄氏は「2024年、本格的に日本で展開する戦略が本社に認められた」からだと話す。

 ZTEはnubiaの他にも「Axon」というブランドも持っている。直近でいえば、ZTEが2020年、ソフトバンクに納入した「ZTE Axon 10 Pro 5G」が挙がるが、「今後はAxonブランドから徐々にnubiaブランドに集中して展開していく」(黄氏)という。

 日本展開の一環で発表された「nubia Flip 5G」「nubia Ivy」は、どちらも「ソフトバンク向けのモデルがベース」(黄氏)となっている。具体的にはnubia Flip 5Gは「Libero Flip」、nubia Ivyは「Libero 5G IV」をベースに設計されている。ハイエンドが本丸のブランドであるnubiaだが、日本では「オープン市場で売れ筋となる価格帯」の端末から攻めていくようだ。

 そのため、メーカー希望価格(税込み)は、nubia Flip 5Gが7万9800円、nubia Ivyが3万1880円と手頃な価格としている。この2モデルを選定した理由について、モバイルターミナル事業部 第三営業部 取締役本部長 李明氏は「特徴があり求めやすい価格設定ができること」と、「ZTEジャパンとしてアフターサービス、品質管理の経験を持っていること」の2点を挙げた。

ZTE nubia 日本展開 スマホ 日本での展開に際しては、既に開設したSNSのアカウントを活用していくという

nubia Flip 5Gとnubia Ivyの特徴

 nubia Flip 5Gは縦折りタイプのスマートフォン、nubia Ivyは一般的なストレートタイプのスマートフォンとなる。

 nubia Flip 5Gは、開けば6.9型(1188×2790ピクセル)の有機ELディスプレイで地図を見たり、映像コンテンツを視聴したりでき、使わないときは折りたたんで持ち運べるのが大きな特徴。1.43型サブディスプレイで自分の顔を確認しながら撮影できる他、閉じたまま通知を確認したり、着信に応答したりできる。便利機能として、通話の録音を相手に知らせる機能や、文字やアイコンを大きく表示する「シンプルモード」を備える。

ZTE nubia 日本展開 スマホ nubia Flip 5Gの使い方を説明する、モバイルターミナル事業部 商品企画部本部 本部長 ケ鵬氏
ZTE nubia 日本展開 スマホ 手前が「Libero Flip」、奥がnubia Flip 5G。スペック上は対応バンドなどが異なり差はあるものの、機能の差はほとんどないという
ZTE nubia 日本展開 スマホ 今後のアップデートで、1.43型サブディスプレイに3D壁紙を表示できるようになる予定だ
ZTE nubia 日本展開 スマホ ヒンジには「nubia」のロゴが刻印されている
ZTE nubia 日本展開 スマホ 文字やアイコンを大きく表示する「シンプルモード」

 nubia Ivyは、6.6型でリフレッシュレートが90Hzのディスプレイを搭載したスマートフォン。背面はクリスタルダイヤモンドをイメージしたデザインで、指紋は目立たず手から滑りづらい。生体認証は、指紋認証と顔認証に対応し、ロックの解除だけでなく、「任意のアプリをクイック起動する際にも、指紋認証を活用」(モバイルターミナル事業部 商品企画部本部 本部長 ケ鵬氏)できる。IP67等級の防塵(じん)・防水、おサイフケータイにも対応している。

ZTE nubia 日本展開 スマホ nubia Ivy
ZTE nubia 日本展開 スマホ 背面に5000万画素のメインカメラ、200万画素の被写界深度用カメラ、200万画素のマクロカメラを含むアウトカメラがある。IP67等級の防塵(じん)・防水、おサイフケータイにも対応する
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