しかし、ZTEジャパンとしては、日本でしばらくの間、ブランド戦略発表会や、新端末の発表会を開催していなかった。大きな発表の場であったドコモのM Z-01Kやワンナンバーフォンの発表会から、今回の発表会までブランクが空いているようにも思える。
nubiaブランドの展開に際し、なぜキャリア向けの納入ではなく、オープン市場に自らの力で売り込む選択をしたのだろうか? 黄氏は「2024年、本格的に日本で展開する戦略が本社に認められた」からだと話す。
ZTEはnubiaの他にも「Axon」というブランドも持っている。直近でいえば、ZTEが2020年、ソフトバンクに納入した「ZTE Axon 10 Pro 5G」が挙がるが、「今後はAxonブランドから徐々にnubiaブランドに集中して展開していく」(黄氏)という。
日本展開の一環で発表された「nubia Flip 5G」「nubia Ivy」は、どちらも「ソフトバンク向けのモデルがベース」(黄氏)となっている。具体的にはnubia Flip 5Gは「Libero Flip」、nubia Ivyは「Libero 5G IV」をベースに設計されている。ハイエンドが本丸のブランドであるnubiaだが、日本では「オープン市場で売れ筋となる価格帯」の端末から攻めていくようだ。
そのため、メーカー希望価格(税込み)は、nubia Flip 5Gが7万9800円、nubia Ivyが3万1880円と手頃な価格としている。この2モデルを選定した理由について、モバイルターミナル事業部 第三営業部 取締役本部長 李明氏は「特徴があり求めやすい価格設定ができること」と、「ZTEジャパンとしてアフターサービス、品質管理の経験を持っていること」の2点を挙げた。
nubia Flip 5Gは縦折りタイプのスマートフォン、nubia Ivyは一般的なストレートタイプのスマートフォンとなる。
nubia Flip 5Gは、開けば6.9型(1188×2790ピクセル)の有機ELディスプレイで地図を見たり、映像コンテンツを視聴したりでき、使わないときは折りたたんで持ち運べるのが大きな特徴。1.43型サブディスプレイで自分の顔を確認しながら撮影できる他、閉じたまま通知を確認したり、着信に応答したりできる。便利機能として、通話の録音を相手に知らせる機能や、文字やアイコンを大きく表示する「シンプルモード」を備える。
nubia Ivyは、6.6型でリフレッシュレートが90Hzのディスプレイを搭載したスマートフォン。背面はクリスタルダイヤモンドをイメージしたデザインで、指紋は目立たず手から滑りづらい。生体認証は、指紋認証と顔認証に対応し、ロックの解除だけでなく、「任意のアプリをクイック起動する際にも、指紋認証を活用」(モバイルターミナル事業部 商品企画部本部 本部長 ケ鵬氏)できる。IP67等級の防塵(じん)・防水、おサイフケータイにも対応している。
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