4月17日に行われた参議院の本会議において、「日本電信電話株式会社等に関する法律の一部を改正する法律案」が可決された。同案は4月5日付で衆議院の本会議でも可決されているため、本法は参議院の議決をもって成立し、公布日の翌日に施行される。
本件を受けて、NTT(日本電信電話)と、KDDI/ソフトバンク/楽天モバイルがそれぞれ声明を発出した。
4月18日に施行される、日本電信電話株式会社等に関する法律の一部を改正する法律(改正NTT法)の主な内容は以下の通りだ。
また、改正法の付則には令和7年(2025年)の常会(通常国会)を目途とした法案提出が盛り込まれており、今後も特殊法人としてのNTTとNTT東日本/NTT西日本の在り方について議論は続くことになる。
今回の改正を受けて、NTTはコメントを発表した。
先述の通り、4月18日から同社の研究開発の推進/普及責務は撤廃されるが、「グローバルなパートナーの皆さまと機動的に連携しながら、引き続き研究開発に積極的に取り組んでまいります」としている。一方、外国人役員に関する規制緩和については、「我が国の経済安全保障の観点から、当社だけでなく、主要通信事業者全体を対象として議論していくことが必要」とした。
その上で、ユニバーサルサービスやNTT/NTT東日本/NTT西日本の業務範囲規制、外資規制など、政府で行われている議論に積極的に参加/協力するとしている。
KDDI/ソフトバンク/楽天モバイルの3社は改正NTT法の法律案の閣議決定時と同様に共同で見解を発表した。
3社はNTTの在り方を巡る議論が総務省の情報通信審議会で進んでいる中で、付則においてNTT法の廃止を含め検討することや、2025年の通常国会で再度審議を行うことが盛り込まれていることに「極めて強い懸念」を抱いているとしている。
一方、ユニバーサルサービスや公正競争について、安全保障の確保などの観点から慎重に検討を行うことや、国民から広く意見を聴取して、検討の経過と結果を十分に説明する旨を盛り込んだことは「国益・国民生活を保護する観点から非常に意義が大きい」と評価している。
その上で、「引き続きNTT法の『廃止』には反対するとともに、国民の負担により電電公社時代に構築された日本電信電話株式会社の『特別な資産』を維持し、保護するための規律の時代に応じた見直しや強化も含め、NTT法のあり方について付帯決議に基づき、より慎重な政策議論が行われることを改めて強く要望」するとしている。
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