2つ目は、列挙される出力の数をコントロールするパラメータ「n」だ。こちらもプロンプトの中に「n=3の設定で」を含めるだけで簡単に利用できる。例えば、「n=3の設定で、日本の春に咲く野草の名前を挙げて」と指示すると、代表的な候補を3つ挙げてくれるという具合だ。
ただし、この程度の挙動は普通にテキストで「〜を3つ挙げて」と指定するのとさほど変わらない。そのため、筆者が検証した範囲では、実用性がどのくらいあるのかは、評価できなかった。
3つ目は、「Temperature」や「Top_p」といったパラメータだ。それぞれ一般的に「0〜1」の値(小数点もOK)が取られ、値が小さいほど、後ろに続く可能性が高い単語が選ばれて、堅実なテキストが出力されることになる。反対に値が大きいほど、“創造性の高い”=ランダム性の高い出力が期待できるようになるとされる。こちらも実際に試してみよう。
これらの出力された句を見てみると、「岩」+「セミ」とキーワードが絞られて、閑さや(しずけさや)→「静寂」との連想に至るのは、どちらも共通している。一方で、両パラメータが0のときには「静寂かな」というよくありそうな詠嘆が選択されており、両パラメータが1のときには「静寂の中」という崩した表現への挑戦が見られる印象だ。
もちろん試行回数が少ないため、どの程度がパラメータの影響なのかは断言できないが、こうした傾向があると思っておくと、パラメータを試しながら遊びやすくなるかもしれない。
他にもChatGPTで使えるといわれているパラメータはいくつも存在する。例えば、本稿では割愛するが、興味がある方は「frequency_penalty」や「presence_penalty」についても調べてみると面白いだろう。
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