「Xperia 1 VI」は何が進化した? 21:9比率/4Kディスプレイ廃止の理由は? 「Xperia 1 V」と比較しながら解説(1/3 ページ)

» 2024年05月16日 12時00分 公開
[金子麟太郎ITmedia]
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 既報の通り、ソニーがスマートフォンXperiaのハイエンドモデル「Xperia 1 VI(マーク6)」を発表した。

Xperia1VI XperiaV 比較 発表されたばかりの「Xperia 1 VI」

 SIMロックフリーモデル「XQ-EC44」はメモリとストレージが12GB/256GB、12GB/512GBのモデルが6月21日、16GB/512GBのモデルが8月23日に発売予定だ。市場想定価格(税込み、以下同)は容量によって異なるが、Xperia 1 Vはメモリとストレージが最も低いモデルで19万5000円前後となっていたところ、Xperia 1 VIは19万円前後と5000円安くなったことになる。

  • メモリ12GB/ストレージ256GB:19万円前後
  • メモリ12GB/ストレージ512GB:20万5000円前後
  • メモリ16GB/ストレージ512GB:21万9000円前後

 国内キャリアではNTTドコモ、KDDI、ソフトバンクが取り扱い、6月上旬以降の発売を予定している。

 Xperia 1 VI(開発中)の実機に触れる機会を得たので、外観を中心に何が進化したのかをチェックした。

 Xperia 1 VIはXperia 1 Vの流れをくむ最新モデルで、語尾のローマ数字を見ても分かるように、1シリーズの6世代目に相当する。この1シリーズはいわば最新の機能やハイスペックを求める人に向けたハイエンドモデルだ。ハイエンドモデルとしては1ランク下の「Xperia 5」シリーズがあるが、性能も価格も1シリーズの方が高く、ソニーの推すクリエイティビティー(創造性)を十分に発揮できる。

光学7倍ズームに対応 被写体に寄らなくても高画質を担保

 まず大きな進化を遂げたのはアウトカメラだ。アウトカメラは超広角(16mm/1200万画素/F2.2)、広角(24mm/4800万画素/F1.9)、光学ズーム対応の望遠(85-170mm/1200万画素/F2.3-3.5)の3眼構成で、一見すると従来通りの並びだが、光学ズーム域が先代のXperia 1 Vから増えている。

 Xperia 1 Vは85-125mmの間が光学ズーム域で最大5.2倍の光学ズームが可能だった。Xperia 1 VIでは85-170mmの間が光学ズーム域となり、最大で7倍の光学ズームが可能になっている。先代よりも画質劣化を抑制しつつ、より遠くの被写体を撮影できるようになった。

Xperia1VI XperiaV 比較 Xperia 1 VIの背面。アウトカメラは斜め左上に配置され、レンズは縦に並ぶ
Xperia1VI XperiaV 比較 Xperia 1 V(写真=左)と、Xperia 1 VI(写真=右)のアウトカメラ。センサーもレンズも変わらないとのことだ

 中央にある広角カメラのイメージセンサーは2層トランジスタ画素積層型CMOSイメージセンサー「Exmor T for mobile sensor」となる。フォトダイオードとトランジスタを2層に分離したことで、光を多く取り込めることに加え、暗所でのノイズを低減できる。他のカメラは「Exmor RS for mobile sensor」を採用している。この部分は先代のXperia 1 Vと同じだ。

 最大7倍の光学ズームを生かし、「テレマクロ」という撮影機能を新たに搭載。テレマクロでの撮影時には最大約2倍となるものの、ひずみをなくして豊かなボケ感を表現できるという。接写では被写体に寄って撮影するのが一般的だが、テレマクロ撮影機能を利用すれば、被写体から4cm〜数十cm離れたところからでもきれいに撮影できる。被写体に近づくことによる人やスマートフォンの影の写り込みをなくす。

Xperia1VI XperiaV 比較 カメラアプリの「その他」という項目の中に「テレマクロ」という撮影機能が追加されている
Xperia1VI XperiaV 比較 花びらに付着した水滴。スマートフォンながら一眼カメラさながらの仕上がりだ
Xperia1VI XperiaV 比較 人物の画像は髪の毛の質感や肌の色までリアルに表現され、背景のボケ感も自然だ

 ソニー製デジタル一眼カメラ「α9 III」に搭載された「姿勢推定」という技術がXperia 1 VIにも搭載された。例えば、人物が後ろを向いてしまった場合、先代のXperia 1 Vでは瞳AF(オートフォーカス)の効果を発揮できず、人の瞳にフォーカスを合わせ続けることはできないが、骨格を学習させた姿勢推定技術により、Xperia 1 VIではフォーカスが外れずに被写体を追い続けるという。

Xperia1VI XperiaV 比較 3眼カメラ全てで「姿勢推定」という技術を利用可能。骨格を学習したため、人物が後ろを向いてしまっても、フォーカスを合わせ続けるという(画像はソニーのWebサイトから引用)

 また、バラバラに分かれていたカメラアプリは1つになる。「Photo Pro」「Video Pro」「Cinema Pro」の複数のカメラアプリは1つのカメラアプリに集約され、静止画/動画に分かれていた機能が1つのカメラアプリで利用可能になった。各撮影モードはカメラアプリからスワイプで切り替えれるようになり、UI(ユーザーインタフェース)も簡易になっている。

Xperia1VI XperiaV 比較 複数に分かれていたカメラアプリは1つにまとまった(画像はソニーのWebサイトから引用)
Xperia1VI XperiaV 比較 カメラアプリのUI。実機では先代よりも簡素になっていることがより分かる
Xperia1VI XperiaV 比較 UIはシンプルで分かりやすくなり、撮影モードの切り替えはスワイプするだけで済む
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