ディスプレイに関しては、大きく2つの変更点がある。1つはアスペクト比だ。ソニーは2019年のXperia 1から一貫して21:9のアスペクト比にこだわっていたが、Xperia 1 VIではアスペクト比を21:9から19.5:9に変更した。横幅は少し増してスリムな見た目ではなくなった。
そもそもXperia 1が21:9だった理由は、モバイルで映画館さながらの映像を撮影し視聴できる点、2つのアプリを1画面に大きく表示できる点が大きい。映像配信サービスでは「Netflix」、ゲームでは「FORTNITE」「ASPHALT9」などが21:9で楽しめる、というのが売りになっており、世代が進んでもそのこだわりは変わらなかった。
一方で、ターゲットユーザーの意見やスマートフォンの使い方を踏まえ、19.5:9に変更せざるを得なくなったという。背景にあるのはSNSの普及だ。例えば、Instagramでは1:1の正方形、縦長の投稿には4:5の比率、横長の投稿には1.91:1が使われており、21:9をフルに生かせない。
もう1つの変更点は解像度。バッテリー持ちの改善を図るため、これまでの4KからフルHD+に下げた。X(旧Twitter)では「スマートフォンに4K解像度のディスプレイは必要ないのではないか」という意見が多く上がっていた。まさしく4K解像度で視聴できるコンテンツはフルHDに比べて少ないため、宝の持ち腐れとなっていた。
解像度が4Kだと消費電力量が多くバッテリーの持続時間に大きく影響するため、フルHD+という解像度は現実的な落としどころだといえる。
なお、パネルは液晶ではなく、引き続き有機ELを採用している。ディスプレイの大きさは約6.5型で変わっていないが、輝度はXperia 1 V比で50%明るくなったという。Xperia 1 Vにはなかった「サンライトビジョン」という新機能が追加され、直射日光下でもディスプレイの輝度を保ち、視認性を確保できるという。
画質についても進化している。Xperia 1 VIではソニー独自のAI画質調整技術で、高精度に「BRAVIA」の色彩、質感、立体感を再現している。
BRAVIAとXperiaそれぞれの画面色を測定し、そのカラーデータを比較。10億色のカラーテーブルを用いながら画質エンジニアが味付けした。生成したパラメータをXperiaに持たせることで、精緻にBRAVIAの色彩、質感、立体感を再現できる他、静止画と動画でパラメータを分け、コンテンツによって最適な画質を実現する。さらに、工場で出荷前に1台ずつホワイトポイントを調整しており、個体差が出ないようにしているという。
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